食べぎ後より起きた胃の不調と月経不順(30代女性)
来院者
30代女性
通院期間
2019年12月より約2ヶ月
頻度
週1〜2回
通院回数
9回
症状
2019年10月末にバイキングランチで食べすぎてから、胃のもたれと閊え感に悩まさせている。それ以来、食後は決まって、痰がからむ。
また、同時期より、手の痺れと胸の動悸が時折するようになり、※月経周期も不順。
※それまでは、28日〜32日周期で定期的だったものが2ヶ月間こない。
近所の内科で、胃カメラなどの検査を行うも、「特に異常がみられない」といわれ、アコファイド(胃薬)を処方されるも変化なし。
他に解決方法がないかと、インターネットで調べたところ、当院のことを知り来院。
施術と経過
初回
腹部の状態を丁寧に調べ、鳩尾の硬さ。右背部の凝りを確認。
胃腸の働きを高め、腹部の状態にアプローチする目的で、手足のツボに鍼を行う。
経過:少し胃の閊え感が軽減する。
2〜5回目
2〜5回目。痰を取り除く目的で、肺の経絡と、脾の臓の経絡に鍼を行う。また、肩甲骨の間と項に鍼を浅く行い、肩背部のこりを取る。
経過:4回目までに1日のうちに何度も自覚のあった、手の痺れを感じる頻度が徐々に軽減する。また、胃の閊えた感じも減少。
5回目終了後、生理がくる。
6〜9回目
6〜9回目。食後に痰がまだ絡むということから、暴飲暴食により、生じた※2食毒が体内に残存していると考え、去痰※3と排便を促す目的で肺と胃の経絡上にあるツボの中から、特に反応のあるところに鍼を行う。
※2:食毒 消化不良などにより、おこる体の不具合を東洋医学では、「食毒」と表現し、病気を引き起こす原因の一つと考えている。
※3:体の余分な水を取り除くこと。
経過:施術後1〜2時間は痰と小便が多くでる。食後の痰の絡みが少しずつ軽減する。
9回目施術後、まだ、食後に痰が絡むことはあるが、その他の胃のつかえ、手の痺れ、生理不順が改善したので、本人の希望もあり定期的な施術を一度終了とした。
自宅で去痰のツボにお灸をするように指導し、その他の症状が再燃した際は、すぐに連絡をするように伝える。
使用したツボの一例
孔最 四瀆 三陰交 T11(3) T12(3)
まとめ
初回来院時、暴飲暴食により、鳩尾がつかえた状態が続いていた。
鳩尾のつかえは肩背部の緊張を時に招く。そのことが手の痺れを引き起こしたと考え、施術を継続したところ、胃のつかえの軽減に合わせて、手の症状も次第に寛解がみられた。
また、消化器系の働きは、東洋医学でいう、五臓六腑の「脾の臓」に当たり、「脾の臓」は月経と密接な関係があると考えられている。
そのため、胃腸の環境が整ったことが、月経周期の改善にもつながったと予想される。