※各症例の解説では分かりやすくするために、裸のイラストを使用していますが、実際の施術では患者着か衣服を着用しています。
また同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。
※各症例の解説では分かりやすくするために、裸のイラストを使用していますが、実際の施術では患者着か衣服を着用しています。
また同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。
50代女性
2021年9月~
週1回
8回
3~4年前より、逆流性食道炎。
胃酸が逆流するせいか、咳が喉が焼ける感じがし、咳がでる。
毎年、春から、夏にかけて症状がひどくなる。いつも、薬を飲むと咳は治まっていたが、今年は、春先に風邪をひいいてから、その後、症状が酷くなり、咳と痰、吐き気に悩まされている。
来院した9月時点でも症状に変化なし。
1日の中でも、朝方と夜就寝前が辛い。
初回。呼吸器と胃腸を整える目的で手足に鍼を行う。
その翌日から、4日間咳が治まる。5日目から、咳と痰が再燃。
同じ施術を週1回継続したところ、徐々に症状が寛解。1週間を通じて症状がほとんど出なくなったため、8回の施術をもって、定期的な施術を終了とした。
現在は、再発予防・メンテナスの目的で月に1回通院中。
列缺 合谷R 足三里L 開魄L
逆流性食道炎による、咳の回復は多くの場合、時間もかかり、消して簡単なものでは、ありませんが、2ヶ月という短期間で症状の寛解がはっきりと観察できた症例です。
呼吸器と消化器の2つの機能を同時に整えたことが、症状寛解の決めてとなりました。
60代女性
202☓年3月〜4月
週1回
5回
5〜6年前より、鳩尾の上辺りが重く、どこか存在感があり、
病院で、検査を受けたところ、逆流性食道炎と告げられる。
それから、5年間の間に、症状は、良くなったり、悪かったりを繰り返している。
最近は特に、調子が悪く、胃カメラで調べたとこり、悪化しているとのことで、薬の量を増やしが、効いている感じがしない。
その他の症状:動悸・不整脈 病院で検査の結果、心臓には異常なし
背部を触ると、右肩甲骨内縁の筋肉が、異常に固く筋張っていた。胸の動悸と鳩尾上の異物感を寛解する目的で、手足のツボに鍼を行う。
経過:初回の施術以降、1週間、鳩尾上の存在感は感じない。脈の飛ぶ感じは変化なし。
1回目の施術以降、鳩尾上の異物感は再燃していないが、脈が飛ぶ感覚は、不定期に起きる。
2回目〜4回目。第1回目の施術に加え、右肩甲骨内縁の筋ばりをほぐすように鍼を行う。
1週間の間に、徐々に脈が飛ぶ頻度が少なくなる。
5回目施術以降、鳩尾上の異物感も動悸も起きていなため、その後は3週に一度、再発防止のために、通院中。
支溝R 三陰交R T4(2)R 陰陵泉R 曲泉R
本症例では、胃の不快感だけではなく、不整脈も伴っていた為、循環器に重篤な疾患が隠れていないか慎重な経過観察を必要とされたが、病院の受診と並行して鍼灸を行うことで徐々に回復が観察された。
50代女性
2020年2月~
週に1回
8回
5年前に職場で精神的ストレスを受け続けたころより、喉のつまり感。胃酸の逆流による喉の痛み。胸焼け。咳と吐き気などの症状が現れ、病院にて、「逆流性食道炎」と告げられる。
特に、前かがみになると、咳が止まらず、また、就寝中も息が苦しくてむせることがしばしば。
大便は、毎日でるが、形状はコロコロで固くスッキリしない。
知人に、鍼灸を勧められ、当院に来院。
内服薬:カモスタット
腹部に手を状態を調べたところ、臍部の周辺と上腹部、右脇腹に、ガスの存在を伺わせるような張り感を確認。
腸の動きが悪く、内容物が停滞しガスが溜まった結果、腹圧が上昇。
このことが逆流性食道炎の諸症状を引き起こしていると考えた。
腸の動きを活性化する目的で手足のツボに鍼を行う。
経過:施術した当日から翌日は、心地よい気だるさがあり、吐き気や咳に悩まされることなく久々によく眠ることができた。
初回と同じ施術をおこう。
経過:2回目施術の夜。大量の下痢をする。排便後は、特にだるさなどはなく、スッキリとした。
腹部の緊張を伺ったところ、初回に確認した、臍部周辺と右脇腹、上腹部の張り感が軽減していることを確認。
2回目までに使用した手足のツボに加え、より一層、腸の動きを促す目的で背部のツボへ処置を加える。
経過:施術するごとに、排便の形状もコロコロ便から、棒状に近くなり、スッキリとでるようになる。それに伴い、腹部の張り感も減少。
5回目の施術前後より、喉の痛み、咳、吐き気が徐々に軽減。
完全ではないが、症状が一日を通じても気にならない日が出現。
8回目の施術終了後。便通を促すツボへのお灸を指導し、週1回の定期的な施術は終了とする。
現在は、1ヶ月に一度、再発予防のため通院中。
四瀆 天井 玉竧 開魄 腸鳴
逆流性食道炎の症状は、何らかの原因で腹圧が上昇した結果、胃酸が逆流し、起きると言われている。
この症例では、便秘による腹圧上昇が吐き気をはじめとした、症状の原因と考え、便通を促すような施術をしてところ、徐々に改善がみられた。
30代女性
2019年12月より約2ヶ月
週1〜2回
9回
2019年10月末にバイキングランチで食べすぎてから、胃のもたれと閊え感に悩まさせている。それ以来、食後は決まって、痰がからむ。
また、同時期より、手の痺れと胸の動悸が時折するようになり、※月経周期も不順。
※それまでは、28日〜32日周期で定期的だったものが2ヶ月間こない。
近所の内科で、胃カメラなどの検査を行うも、「特に異常がみられない」といわれ、アコファイド(胃薬)を処方されるも変化なし。
他に解決方法がないかと、インターネットで調べたところ、当院のことを知り来院。
腹部の状態を丁寧に調べ、鳩尾の硬さ。右背部の凝りを確認。
胃腸の働きを高め、腹部の状態にアプローチする目的で、手足のツボに鍼を行う。
経過:少し胃の閊え感が軽減する。
2〜5回目。痰を取り除く目的で、肺の経絡と、脾の臓の経絡に鍼を行う。また、肩甲骨の間と項に鍼を浅く行い、肩背部のこりを取る。
経過:4回目までに1日のうちに何度も自覚のあった、手の痺れを感じる頻度が徐々に軽減する。また、胃の閊えた感じも減少。
5回目終了後、生理がくる。
6〜9回目。食後に痰がまだ絡むということから、暴飲暴食により、生じた※2食毒が体内に残存していると考え、去痰※3と排便を促す目的で肺と胃の経絡上にあるツボの中から、特に反応のあるところに鍼を行う。
※2:食毒 消化不良などにより、おこる体の不具合を東洋医学では、「食毒」と表現し、病気を引き起こす原因の一つと考えている。
※3:体の余分な水を取り除くこと。
経過:施術後1〜2時間は痰と小便が多くでる。食後の痰の絡みが少しずつ軽減する。
9回目施術後、まだ、食後に痰が絡むことはあるが、その他の胃のつかえ、手の痺れ、生理不順が改善したので、本人の希望もあり定期的な施術を一度終了とした。
自宅で去痰のツボにお灸をするように指導し、その他の症状が再燃した際は、すぐに連絡をするように伝える。
孔最 四瀆 三陰交 T11(3) T12(3)
初回来院時、暴飲暴食により、鳩尾がつかえた状態が続いていた。
鳩尾のつかえは肩背部の緊張を時に招く。そのことが手の痺れを引き起こしたと考え、施術を継続したところ、胃のつかえの軽減に合わせて、手の症状も次第に寛解がみられた。
また、消化器系の働きは、東洋医学でいう、五臓六腑の「脾の臓」に当たり、「脾の臓」は月経と密接な関係があると考えられている。
そのため、胃腸の環境が整ったことが、月経周期の改善にもつながったと予想される。
池内 公 1980年生まれ。
2003年 鍼灸師国家資格を取得。臨床歴20年。
整形外科、内科、婦人科、耳鼻科など多くの科を有する、長野県水嶋クリニックの勤務を経て、2009年鍼灸専門、「ゐろは鍼漢院」を開院。
現在、『一本の鍼には、一人の可能性を広げる力がある」を信条に日々奮闘中。