喉のつまり。胸焼け、咳・吐き気を伴う(50代女性)
来院者
50代女性
通院期間
2020年2月~
頻度
週に1回
通院回数
8回
症状
5年前に職場で精神的ストレスを受け続けたころより、喉のつまり感。胃酸の逆流による喉の痛み。胸焼け。咳と吐き気などの症状が現れ、病院にて、「逆流性食道炎」と告げられる。
特に、前かがみになると、咳が止まらず、また、就寝中も息が苦しくてむせることがしばしば。
大便は、毎日でるが、形状はコロコロで固くスッキリしない。
知人に、鍼灸を勧められ、当院に来院。
内服薬:カモスタット
施術と経過
初回
腹部に手を状態を調べたところ、臍部の周辺と上腹部、右脇腹に、ガスの存在を伺わせるような張り感を確認。
腸の動きが悪く、内容物が停滞しガスが溜まった結果、腹圧が上昇。
このことが逆流性食道炎の諸症状を引き起こしていると考えた。
腸の動きを活性化する目的で手足のツボに鍼を行う。
経過:施術した当日から翌日は、心地よい気だるさがあり、吐き気や咳に悩まされることなく久々によく眠ることができた。
2回目
初回と同じ施術をおこう。
経過:2回目施術の夜。大量の下痢をする。排便後は、特にだるさなどはなく、スッキリとした。
3~7回目
腹部の緊張を伺ったところ、初回に確認した、臍部周辺と右脇腹、上腹部の張り感が軽減していることを確認。
2回目までに使用した手足のツボに加え、より一層、腸の動きを促す目的で背部のツボへ処置を加える。
経過:施術するごとに、排便の形状もコロコロ便から、棒状に近くなり、スッキリとでるようになる。それに伴い、腹部の張り感も減少。
5回目の施術前後より、喉の痛み、咳、吐き気が徐々に軽減。
8回目
完全ではないが、症状が一日を通じても気にならない日が出現。
8回目の施術終了後。便通を促すツボへのお灸を指導し、週1回の定期的な施術は終了とする。
現在は、1ヶ月に一度、再発予防のため通院中。
使用したツボの一例
四瀆 天井 玉竧 開魄 腸鳴
まとめ
逆流性食道炎の症状は、何らかの原因で腹圧が上昇した結果、胃酸が逆流し、起きると言われている。
この症例では、便秘による腹圧上昇が吐き気をはじめとした、症状の原因と考え、便通を促すような施術をしてところ、徐々に改善がみられた。