夜間に発症した肩の痛み(60代男性会社員)
来院者
60代男性 会社員
通院期間
2019年5月~7月
頻度
週1回
通院回数
8回
症状
来院する、1ヶ月前から右肩を下にして寝ていると痛みで目が覚めるようになる。
温めたり、ストレッチを行えば、そのうち治ると思い様子をみていたが、一向に痛みは軽減しない。
過去に鍼灸で腰痛が改善した経験から、肩の痛みにも鍼灸が有効と考え来院。
施術と経過
日常動作では、帯を結ぶ動作と、洗髪する動作で右肩の前に痛みを感じる。
その他、スイミングの「クロール」、「背泳ぎ」、「平泳ぎ」が肩の痛みのため上手くできない。
肩周辺の筋肉の硬さをみると、患側の右肩前面が側面や後面に比べて緊張しており、指で押圧すると、痛みを訴えた。
肩周辺を大まかに緩める目的で、腰部と足の付け根にあるツボに鍼を行ったところ、肩周辺の筋肉が施術前に比べて緩んでいたため、初回の施術を終了した。
2回目以降、初回の施術に加え、足首と胸椎付近のツボに鍼をおこなったところ、6回目までに段階的に可動域が増していき、洗髪動作、帯を結ぶ動作ができるようになる。
8回目。「先日久々にスイミングをおこなったところ、クロールと背泳ぎをする際の痛みが消失していた。」との報告を受ける。
平泳ぎの時はまだ痛みがあるということで、腕を水平から横に広げる動作に関わる動きを改善する目的で、ふくらはぎにあるツボに鍼を行った。
その後、平泳ぎの動作を再現してもらったところ、痛みは起らず、可動域も左肩とほぼ同じであったため、施術を終了した。
その後、健康増進のため、2週間に一度来院しているが、肩の症状は再燃していない。
使用したツボの一例
志室R 足太陽R 地天R T2(0.5)L
まとめ
痛みの感じる場所は肩であっても、肩から離れた場所がに原因であることは臨床上良く遭遇する。
本症例でも、局所にとらわれず、その原因点を注意深く観察することで、段階的な改善がみられた。