我孫子・柏のはりきゅう専門院

五十肩

※各症例の解説では分かりやすくするために、裸のイラストを使用していますが、実際の施術では患者着か衣服を着用しています。

また同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。

 

 

来院者

40代女性

 

通院期間

2021年2月〜5月

 

頻度

週2回

通院回数

22回

症状

来院4ヶ月前から、不意に手を伸ばすような動作で痛む。

 

その他、おしりのポッケのものを取る動作。エプロンの紐を腰で結ぶ動作。洗髪動作。

水平内転(右手を地面に水平の髙さで、左側に移動させる動作)が困難。

経過と施術

初回〜9回

まず、夜間の痛みを寛解するために、炎症を抑える目的で頸椎と足首のツボに鍼を行う。

7回目の施術を終えることから、徐々に夜痛みで目が覚める頻度が少なくなる。

10〜16回

万歳をする動作、外転(体の横から、腕を上げる動作)がどちらも90度以上、上がらないことから、施術する場所を割り出し、腰部と大腿部側面のツボに鍼を行った。

 

施術7回目あたりから、少しずつ可動域が増し、万事の動作は130度ほどまで上がるようになる。

 

外転動作はようやく110度ほどまで上がるように。洗髪が痛みなくできるようになる。

17〜22回

16回までの施術方法に加え、エプロンを腰で結ぶ動作に対し、脊椎の際に鍼を行う。

 

以後同じ施術を根気強く続け多ところ、徐々に可動域が広がる。健側(左肩)と比べるとまだまだ、完治とは言えないが、日常生活は問題なく行えるといくことで施術を終了とした。

使用したツボの一例

足太陽R 地天R 志室R T2(1)R

まとめ

五十肩(四十肩)は、2年~3年で自然治癒すると考える人もいますが、放置すると「痛み」は取れても、この「癒着」は残ってしまいます。

 

本症例では、安静にしていても痛む「急性期」から、運動制限が起きる「慢性期」にかけて鍼を行い続け、比較的早期に日常生活が行えるようになりました。

来院者

50代男性

 

通院期間

202011月〜

 

頻度

週2回

通院回数

11回

症状

同年3月頃から、右肩に痛みが出始め、5月に整形外科を受診したところ、五十肩と告げられる。

 

その後、整形外科に通院するも、衣服の着替え時など、痛みが治らず、夜間も痛みで寝付けない状況。

2週間に一度の頻度でヒアルロン酸注射を続けているが、一向に改善する様子がないため、鍼灸を希望して来院。

 

右肩、全体が、痛むが、特に肩関節前面の痛みが強い。

「右のおしりポケットに手を回す動作」や「洗髪をする動作が特に辛い。」

夜、床に着くと、腕まで痺れることがある。

経過と施術

初回〜3回

まず、夜間の痛みを緩和するために、足首にあるツボに鍼を行う。

そのほか、肩全体の緊張を緩める目的で脊椎の際に鍼を行う。

 

同施術を3回目まで繰り返した頃より、夜間の痛みが軽減。夜、寝返りの際に痛みで目が覚めることがあるが、痛みのために、眠れないということは、少なくなる。

4〜10回目

肩甲骨周辺の硬さをとり、肩関節の可動域を増す目的で腰周辺の緊張部位に鍼を行う。

少しずつ、後ろポケットに右腕を回すことができるようになる。

 

9回目の施術おを終えた頃から、急激に痛みが軽くなる。

肩の可動域は、健康だった頃に比べると、7割程度まで回復。日常生活や仕事に差し支えがないと言うことで、本人の希望もあり、11回目の施術を持って終了とした。

使用したツボの一例

足太陽R  志室R   T2(1)R  

まとめ

半年以上病院の処置では、改善の兆しが見られなかった症状が2ヶ月間で7割程度の改善が見られた症例。

来院者

40代男性

 

通院期間

2021年5月〜6月

 

頻度

週2回

通院回数

5回

症状

1ヶ月前より、左肩の痛み。

万歳の姿勢やカバンを肩にかける動作で痛みが増悪。

整形外科で四十肩と告げられる。

安静時痛はなし。

経過と施術

痛みを誘発する動作を細かくヒアリングすると、左肩を水平内転(腕を地面に水平になるまで前方に挙げ、右肩方向に移動する動作)や回外動作でも痛みが増悪することを確認。

 

以上の情報より、施術部位を、胸椎の際と肩関節の付近に絞り、それぞれ、一本ずつ鍼を行った。

 

施術翌日、カバンを肩に掛ける動作が楽にできる様になっていることに気がつく。

 

施術点がしっかりと症状の原因点を捉えていると判断し、その後、5回同じ施術を継続。

 

痛みを誘発する全ての動作で症状の寛解を確認。

日常動作に問題ないことを確認し、週2回の定期的な施術を一度終了とした。

 

現在は、メンテナンスのため、3週に1度通院中。

使用したツボの一例

T4(1)L  巨骨L

まとめ

施術点を厳選し、シンプルな施術を行うことで早期に回復が見られた症例。

来院者

40代女性

 

通院期間

2020年6月〜8月

 

頻度

週2回

 

通院回数

14回

症状

10年ほど前から、

右肩から、腕の付け根にかけて、痛む。

 

ここ最近、痛みがひどくなり、腕が突然上がらなくなった。可動域制限のため、肩より、高い場所に手を延ばす動作や、ズボンの後ろポケットに手をまわす動作のが困難。

 

症状がひどい時は、安静にしていても痛む時がある。また、右肩を下にして寝ると痛みで目が覚める。

施術と経過

肩の動きを確認したところ、動作時(バンザイの姿勢)に腰背部や股関節周辺の筋肉が引っ張られるような感覚が伴うことを確認。

腰背部と股関節を緩める目的で、右腰、右足首に鍼を打ったところ、肩を動かしたときの痛みが軽減。わずかではあるが、ズボンの後ろポケットに手を回しやすくなる。

続いて肩周辺を緩める目的でふくらはぎと前腕に鍼を行う。

少しずつではあるが、毎施術後、可動域が広がるのを確認。

10回目の施術を終える頃には、痛みが9割方、消失。

14回目の施術が終えるころには、可動域の回復は、100%とは言えないが、日常生活や仕事に差し支えない状態まで回復。

可動域を広げる体操を指導し、施術を終了とした。

使用したツボの一例

志室 申脈 足太陽 T2(1)R 飛揚 孔最

まとめ

長年に渡る腰背部や股関節の筋緊張が、肩の自然な動きを制限しすることにより、症状が発症したと考え施術を行ったところ、徐々に改善がみられた症例。

来院者

40代男性

通院期間

2020年3月~

頻度

週2回

通院回数

5回

症状

1ヶ月前より、右肩が痛みだした。
痛む状況は、頭を洗う時、つり革を掴む時。その他、夜仰向けで寝ていると、肩の重さと同時にジンジンした痛みを感じて目が覚める。
病院でレントゲン検査の結果、骨には異常なし。
来院1週間前からさらに悪化したため、なんとかしたいと思い来院。

施術と経過

右肩の可動域を確認すると、バンザイの動作で100度。側方から肩を上げる動作で同じく100度ほどで痛みが出ていた。

また、ベッドに天井向きで寝てもらうと、右肩関節がベッド床につかず、指2本分ほど浮いている。

 

夜間の痛みと可動域制限から、肩関節の周囲に炎症が起きていると考えた。

 

また、炎症の原因は右肩関節が、胸の筋肉の緊張により、前方に引っ張られているためと判断した。

 

炎症を鎮めるために胸椎横のツボに鍼を行い。また前胸部の緊張を緩める目的で腰と臀部のツボに鍼をした。

5回の施術で右肩の可動域は回復し、日常生活で困ることは無くなった。

使用したツボの一例

T5(1) R 聚労R 志室R

まとめ

胸や臀部などに過度の緊張があると、肩関節の動きを制限してしまう。

関節の不自然な動きは、放置しておくと、痛みや、可動域の低下など、様々な症状の原因となるため、日頃から胸部、臀部の柔軟性を保つことが肝要である。

来院者

40代女性 大学講師

通院期間

2019年8月〜 約1ヶ月

頻度

週2〜3回

通院回数

6回

症状

2月ころより、右肩に薄っすらと軽い痛みがあったが、日常生活や、仕事には、影響がないため、病院など、医療機関にはかからず、様子をみていた。

 

その後、5月。仕事でパソコン作業を長時間行った翌日、右肩に激しい痛みが起こった。

 

痛みのために右肩に力が入らず、脱力したようになる。肩以外に、首から腕・背中・脇の下、鎖骨の下の痛みがある。

 

背中に腕を十分に回すことができず、夜、就寝後に痛みが強くなるため、睡眠が十分にとれない。

 

9月に転勤で移動があり、それまでに、せめて夜だけでも眠れるようになりたいと問い合わせを受け施術を開始。

 

過去の病気:6年前に頚椎ヘルニア

施術と経過

初回

肩の症状以外に、腕や首の痛みがあることから、肩関節の問題だけではなく、6年前の頚椎ヘルニアの影響も考え、首から背中、肩の状態を丁寧に確認。

 

肩は、背中に腕を回す姿勢が特にやりずらく、特に肩関節の前後、脇に痛みが走る。

首は右を振り向く動作で左右の首筋〜背中にかけて痛む。

 

肩関節の運動軸を整える目的で、足と腰のツボに鍼を打つ。

 

経過:特に変化なし

2〜3回目

初回後、痛みに変化がなし。関節の可動域はわずかではあるが、広がりが観察できた。

2回目:ふくらはぎのツボ2箇所に処置を加えると、直後より、後ろに手を回しやすくなる。

3回目:脇の痛みを改善する目的で、脛(スネ)のツボに鍼を打つ。

 

経過:施術後、肩の痛みは軽減し、夜は眠れるようになる。しかし、日中は少し肩を動かすだけでも、首〜背中、肩〜腕にかけて痛むことがある。

4〜5回目

肩関節の問題だけではなく、過去の頚椎ヘルニアによる影響が大きいと考え、胸椎の脇にある反応点に鍼を行ったところ、首を回す動作による痛みが半減。

 

後に、3回目までに鍼を打ったツボの中から、その日に反応があるところを2〜3箇所選び鍼を行った。

6回目

4〜5回目の施術で、胸椎周辺に鍼を行い、首の動きによる痛みが軽減してから肩の症状も5〜6割減。胸椎周辺の処置が必須と考え、6回目も鍼を行う。

 

その後:転勤による引っ越しにより、施術を中断。

肩関節の可動域を広げるストレッチを指導し、転勤先の近くの鍼灸院を紹介して終了となった。

 

使用したツボの一例

志室R 申脈R 地機R 飛揚R 築賓R T5(0.5)L 

まとめ

五十肩(四十肩)は関節の痛みや運動制限だけではなく、時に夜間痛を伴うため、生活や仕事に与えるストレスは非常に大きい。

 

本症例は過去に患った、頚椎ヘルニアの問題が肩の症状に影響していると考え施術方針を変更してから、それまで一進一退だった、症状に改善の兆しがみられた。

 

その後転勤により施術は中断されたが、転院先で回復することを願って止まない。

症状

ちょうど1年前に転倒して右肩を強打。以来、右肩を動かした時や夜間の痛みに苦しむ。

 

整形外科でレントゲン・MRI検査の結果、「骨には異常なし、四十肩」と告げられ、ヒアルロン酸注射を5回受けるも、症状が一向に改善しない。

 

他の解決方法はないかと、会社の同僚に相談したところ、「鍼灸がいいのではないか。」と言われ、鍼灸院を調べたところ、当院のことを知り来院。

 

 

来院者

40代 男性

通院期間

2019年5月〜2019年8月

頻度

週1~2回

来院者

16回

施術と経過

初回

屈曲(バンザイ)、外転(横から腕を上げある動作)、腰で帯を結ぶ動作で肩の前面と脇に痛みが起こる。また、可動域に制限があり。

 

それぞれの動きを改善する目的で、右ふくらはぎと足首に一本ずつ鍼を行ったところ、外転、屈曲の姿勢がわずかに取りやすくなる。

 

経過:施術した日の夕方までは、肩が軽く、夜間の疼きも少なく、数ヶ月ぶりによく眠れたという。翌朝には痛みが再燃し、肩の可動域も施術する前と同じに程度に戻る。

2~3回目

2回目、初回の施術に加え、肩の筋肉を緩める目的で肩と関連の大きい、臀部のツボに鍼を行う。

3回目、バンザイをした時、特に脇の痛みが、ここ2日間、特に気になる。

脇の症状にアプローチするために、脛にあるツボに鍼を行う。施術直後、脇の痛みがスーっと抜け、バンザイが楽にできるようになる。

 

経過:施術したその日は、痛みも8割り程度なくなり、動きもスムーズにできるようになる。夜も痛みに苦しむことなく眠れる。しかし、2日以内に、症状が再燃。

 

5~8回目

5回目、肩周辺を触ると、筋肉と関節の硬さが、初回より減少している傾向がしっかりと窺えたので、その後数回にわたり、同じ施術をおこなう。

 

経過:7回目あたりから、施術後の効果が5日間ほど継続するようになる。

9~15回目

9回目。8回目の施術後より、バンザイをした時の脇の痛みが消失。しかし、肩甲骨の外側に痛みを感じるようになる。

 

そこで、肩甲骨の外側のコリを確認し、関連のある腰のツボに鍼を行う。

その他の肩関節前面の痛みを軽減する目的で胸椎の周辺に反応点を見つけ、処置を加える。

 

経過:その後、肩の痛みは段階的に軽減し、可動域も徐々に増加。15回目、施術後には、帯を結ぶ動作時に肩の前面にうっすらと違和感がある程度になる。

16回目

関節の可動域は完全ではないが、日常生活と仕事が支障なくできるため、それまでと同じ施術を行い、再発予防のエクササイズを指導して施術を終了とした。

使用したツボの一例

T2(1)R・巨骨R・承山R・足太陽R・T4(1.5)R・聚労R・地機R

まとめ

五十肩(四十肩)の発症の原因は、未だわからない点が多いとされているが、本症例のように、転倒など、外傷をきっかけに発症するケースに時々遭遇する。

 

そのような場合でも、骨折や、腱の損傷など器質的な問題がなければ、関節の動きを正すように施術を行うことで徐々に改善するケースがあることを知ってほしい。

 

 

 

来院者

来院者

40代女性 事務員

通院期間

2017年11月~2017年12月

頻度

週2~3回

通院回数

8回

施術と経過

肩の動きを調べたところ、洗髪、結滞を行う動作で左肩の前面に痛みが起こり、動きにも制限が認められた。

また、股関節と肩関節の双方に関わりの深いツボを触診したところ、異常な堅さを確認できた。

 

痛む場所と動きの問題、そしてツボの反応を考慮し、関連のある背中と手足のツボに鍼を行うと、施術直後に僅かではあるが、痛みが軽減し、肩の動きもスムーズになった。

 

毎回施術ごとに関節の可動域が広がり、8診を終える頃には、日常生活も痛みを気にすることなく過ごせるということで、施術を終了した。

使用したツボの一例

足太陽L 後谿L T2(0.5 )R

来院者

肩に限らず、痛みに対して施術を行う時、どうしても患部だけに注目しがちである。

 

本症例では、制限動作の確認と過去の股関節痛という既往歴から、施術するべきポイントを精査することで、よい結果に繋げる事ができた。

症状

2018年1月。

 

右に痛みを覚え、始めは痛みに耐えながらも腕を挙げることができたが、日を追うごとに関節の奥のほうで引っかかるような感覚があり、左手で補助してもわずかしか、腕をあげることができなくなった。

 

近くの整形外科を受診。レントゲン検査の結果、肩関節周囲炎(五十肩)と診断される。 日常生活では、電車のつり革につかまることができず、また、寝返りが右肩の痛みのため、困難。

来院者

50代男性

来院者

2018年9月 ~ 2018年11月

頻度

週2~3回

通院回数

20回

施術と経過

初診は2018年9月。触診により、肩の動きと、首の動きを観察したところ、頸椎周辺の筋肉の緊張に左右差があることを確認。

 

同部位を緩める目的で、右足に鍼をおこなったところ、頸部の筋緊張の左右差が少なくなった。

 

そのほか肩甲骨周辺と脇の筋肉を緩める目的で肩甲骨の外側と骨盤横に鍼を行う。

 

施術前70°程しか上がらなかった腕が施術直後が、運動時に痛みはあるものの、90°くらいまであげることができるようになった。 わずかずつではあるが、施術直後に毎回、可動域が広がるのを確認。

 

10診目終了時点で160°程肩を挙げることができるようになる。

 

その後、肩の痛みが減少し、鎖骨下付近に痛みが移動したため、胸部を緩める目的で、右の腕に鍼をおこなうと、痛みが緩解し、前に引っ張られるような緊張感も減少した。

 

20診が終えるころ可動域はまだ、左肩に比べて、十分とは言えないが、痛みもなく、日常生活や仕事に差し支えないということで本人の希望もあり、施術を終了する。

使用したツボの一例

R肩貞 R地天 R足太陽 R孔最

まとめ

四十肩・五十肩には①急性期②慢性期③回復期の3つの段階があり、どの段階かにより、症状は異なる。

 

各段階はそれぞれ、2ヶ月以上続くと言われているが、適切な処置により、各期間を短縮することが期待できる。

 

本症例は、炎症による痛みと関節関節拘縮を伴うため急性期と慢性期の間のような段階であった。

 

炎症の強い場合は 肩周りに直接、鍼をおこなうと炎症が強くなるリスクがあるため、患部と離れた場所から症状の緩和を狙う必要があり、本症例では、手足にある肩の動きと関連性の高いツボを厳選して使う事により、徐々に症状を緩解することができた。

 

四十肩・五十肩は、2年~3年で自然治癒するとう考え方もあるが、放置すると肩の組織どおしが癒着する【拘縮】が起こり、痛みが消失した後も肩関節の可動域制限が残ってしまう恐れがある。

 

四十肩・五十肩で悩んでいる人は、鍼灸を一つの選択肢として考えてみてほしい。

来院者

40代女性 主婦

通院期間

2019年3月~

頻度

週2~3回

来院者

8回

症状

前の年の秋頃、力仕事をしてから左の肩から腕にかけて痛くなった。

左肩の屈曲(バンザイをする動作)と外転(外側から、肩をあげる動作)、車の運転席から後部座席の荷物に手を伸ばすような動作で痛みが増悪。
痛みのため、左肩を下にして眠る事ができない。

整形外科でレントゲン検査の結果、肩関節周囲炎(五十肩)と診断され、モーラステープを処方されたが、動きも痛みも一向に改善しない。

当院における初診時の動作確認では、上記の動作の他、洗髪動作、結滞動作(背中の帯を結ぶ動作)で左肩関節の後ろ側から、二の腕にかけて痛みが生じる。

【その他の症状と過去の怪我】
五年前、運転中、後ろから追突されそれ以来、常に腰が痛い。15年前、左足第5趾を怪我により、骨折。

施術と経過

【初診】
姿勢を確認したところ、歩行時に右足に体重がかかり続けるような体幹のバランスの悪さが観察できた。
また、左腰を触診したところ、異常な堅さを感じた。
体幹のバランスを整える目的で、踵と腰に鍼を行ったところ、その場で肩の動きがスムーズになる。

【2~5診】 
初診で行った処置に加え、脊椎の柔軟性を取り戻す目的で胸椎の際に鍼を行う。
施術後、肩関節後面と二の腕の痛みが軽減していたため、以後同じ処置を5診まで継続。
徐々に肩を動かせる方向と角度が広がり、それと同時に痛みの範囲と強さも軽減していく。

【6・7診】
患者の訴えが肩関節の後面から、左脇と肩甲骨の外側に移動したため、脇の下の筋肉と肩甲骨周辺を緩める目的で下肢のツボに鍼を行う。

【8診目】
6診目の翌日以降、常に痛みを感じていた、腰の痛みを忘れていることに気がつく。
左肩はコリ感と運動時のツッパリ感はあるものの、健康側の右肩と可動域が同じ程度に回復している事を確認。

家庭で行えるストレッチを指導し、一端、施術を終了する。

現在は肩こりと腰痛再発予防のため、1ヶ月に1回程度通院している

使用したツボの一例

まとめ

肩関節は、人体の中で最も自由に動かすことができる関節である。
そのため、最も不安定で疲労が溜まりやすいデリケートな関節とも言える。
又、長年多くの患者さんを診ていると、肩関節に蓄積する疲労の原因は、肩関節周辺に限らず、足腰の影響が大きいと考えられるケースが少なく無い。

今回の肩関節の症例では、以前より、患者が抱えている腰と下肢の問題から、その原因を考察することで段階的に改善に繋げることができた一例である。

来院者

60代男性 会社員

通院期間

2019年5月~7月

頻度

週1回

通院回数

8回

症状

 

来院する、1ヶ月前から右肩を下にして寝ていると痛みで目が覚めるようになる。

 

温めたり、ストレッチを行えば、そのうち治ると思い様子をみていたが、一向に痛みは軽減しない。

 

過去に鍼灸で腰痛が改善した経験から、肩の痛みにも鍼灸が有効と考え来院。

施術と経過

日常動作では、帯を結ぶ動作と、洗髪する動作で右肩の前に痛みを感じる。

 

その他、スイミングの「クロール」、「背泳ぎ」、「平泳ぎ」が肩の痛みのため上手くできない。

 

肩周辺の筋肉の硬さをみると、患側の右肩前面が側面や後面に比べて緊張しており、指で押圧すると、痛みを訴えた。

肩周辺を大まかに緩める目的で、腰部と足の付け根にあるツボに鍼を行ったところ、肩周辺の筋肉が施術前に比べて緩んでいたため、初回の施術を終了した。

 

2回目以降、初回の施術に加え、足首と胸椎付近のツボに鍼をおこなったところ、6回目までに段階的に可動域が増していき、洗髪動作、帯を結ぶ動作ができるようになる。

 

8回目。「先日久々にスイミングをおこなったところ、クロールと背泳ぎをする際の痛みが消失していた。」との報告を受ける。

 

平泳ぎの時はまだ痛みがあるということで、腕を水平から横に広げる動作に関わる動きを改善する目的で、ふくらはぎにあるツボに鍼を行った。

 

その後、平泳ぎの動作を再現してもらったところ、痛みは起らず、可動域も左肩とほぼ同じであったため、施術を終了した。

 

その後、健康増進のため、2週間に一度来院しているが、肩の症状は再燃していない。

使用したツボの一例

志室R 足太陽R 地天R T2(0.5)L

まとめ

痛みの感じる場所は肩であっても、肩から離れた場所がに原因であることは臨床上良く遭遇する。
本症例でも、局所にとらわれず、その原因点を注意深く観察することで、段階的な改善がみられた。

来院者

50代女性

通院期間

2019年11月〜2019年12月

頻度

週2〜3回

通院回数

7回

症状

半年前より、バンザイの姿勢をすると、左肩の前から後ろにかけて痛みが走る。

バンザイをした際に、右腕は肩を耳につけることができるが、左肩は十分に上がらないため、腕を耳につけることができない。

 

もともと、当院で足底筋膜炎の施術を受けいたが、足の症状が落ち着いてので肩の施術を希望し来院。

施術と経過

初回

肩の痛みの場所と誘発する動作から、鎖骨と肩甲骨、胸椎間(首から、背中の高さに位置する背骨)の関節の動きに問題があると考え、胸椎と、肩のツボに一本ずつ、鍼を行った。

経過:施術後、バンザイの動きがスムーズになる。

2〜5回目

バンザイの姿勢をとると、肩の前に痛みがグッと響くが、肩の後ろの痛みは、初回に比べて4割ほど軽くなっているのを実感。
しかし、それから、2回目〜4回目までの施術間、痛みの程度、可動域に変化なし。

 

施術5回目。もともと、右足が足底筋膜炎で体重を左足にばかりかけていたことも、肩の自然な動きを妨げていたと考え、左右の体重バランスを整える目的で右足に鍼を行う。

6回目

5回目の施術以降、肩の後面の痛みがほぼなくなる。肩の前面はバンザイ時に胸の方まで痛みが広がるような感覚があるため、鎖骨と胸周辺の筋緊張を緩和する目的で、手と背中に鍼を行う。

 

経過:胸の方に広がるような痛みはなくなり、バンザイの動きもスムーズになる。

 

7回目

バンザイの姿勢時、なんとか、左腕が耳につくようになる。日常生活は困ることなく、趣味のヨガ教室にも参加できるようになったんため、本人の希望もあり、7回で施術を終了とした。

使用したツボの一例

巨骨 LT2(1) LT4(2.5) L天宗 R玉陽 L孔最

まとめ

肩の動きは、腰や下肢などの影響を受けやすい。そのため、一定期間以上、腰痛や下肢の症状を抱えていると、そのことが原因となり、肩の症状を引き起こすことがある。

 

来院者は、もともと、右足の足底筋膜炎をかかえており、当院で施術を受けていた。

 

その後、足の症状が改善した後も、右足をかばう習慣が左肩に負荷をかけ、このことが症状の改善を妨げていたと考え体重を左右均等にかけられる処置をしたところ、次第に症状の寛解がみられた。

来院者

40代女性

来院者

2019年11月~12月

頻度

週1回

通院回数

5回

症状

3週間前から、洗い物をする時や、床に手をつき体重をかけると、右肩に痛みが走る。

 

今回の症状より前からもともと肩こり持ちで、肩こりが酷くなると頭痛がする。

 

マッサージや整体を受けたが、症状がかわらないため、鍼灸院をさがしていたところ、当院を知人に紹介され来院。

 

 

施術と経過

初回

痛みを引きおこす動作と、痛む部位から、原因は頚椎の周辺にあると考え、反応のあったツボと頚椎の動きへの影響が大きい母指のツボにそれぞれ一本ずつ鍼を行う。

 

経過:施術後、ベッドに手をつく動作をしてもらったところ、肩に走る痛みが施術前より、3割減。施術した翌朝はさらに痛みが半減していた。

 

2〜4回

初回と同じ場所に鍼を行う。施術直後から、肩が軽くなり、肩こりも楽になる。3回目、4回目の施術も同じ内容の施術を繰り返したことろ、洗い物もほとんど痛みを気にすることなく行えるようになる

5回目

4回目の施術後2週間、症状の再燃がみられなかったため、肩こりにたいする施術を行い、再発予防のエクササイズを伝え、肩に対する施術は終了とした。

 

以後、肩こり、頭痛の予防のため、月に一回通院中。

使用したツボの一例

RC7(1)R魚際

まとめ

発症後、まだ日も浅く、関節拘縮もみられなかったため、早期に回復することができた事例。

来院者

50代 男性

通院期間

2018年12月〜2019年1月

頻度

週2回

通院期間

5回

来院者

2018年の7月にボクシングのミット撃ちをしてから、右肩が痛む。

 

バンザイの姿勢、洗髪動作、車の運転席から、後部座席の物を取る動作、腰の帯を結ぶ動作で痛みが強くなる。

 

インターネットで鍼灸院を探していたところ、当院のことを知り来院。

 

施術と経過

初回

肩の動きと関係の深い、胸椎(首から背中の高さに位置する背骨)の動きと周辺の硬さを調べ、反応のあるツボに鍼を2本打つ。

 

経過:施術直後、痛みを伴うも洗髪動作、帯を結ぶ動作が施術前より、楽にできるようになる。しかし、翌日には、施術前と同じ状態に戻ってしまう。

2回目

初回のツボに加え、腰・骨盤の筋肉の状態を調べ、反応のあるツボに鍼を行う。

 

経過:初回と同様、施術直後は痛みも軽減し、動きもスムーズになる。その状態が2日間持続する。

3回〜5日目

施術3回目。2回目の施術内容に、ふらはぎのツボを加える。

今までにないくらい、肩の動きが楽になる。

5回目まで、同じ施術を繰り返す。

 

経過:施術五回終了後、可動域は健康な左肩に比べると完全ではないが、痛みも8割がた消失。仕事が忙しく、通院の継続が困難との相談を受けたため、再発予防の体操を指導し、施術を終了とした。

 

 

使用したツボの一例

RT6(2.5)R地天 R志室 R築賓  L玉陽

まとめ

腰や、ふくらはぎ、骨盤周辺の硬さが、肩の自然な動きを制限し、負担をかけ続けた結果、症状が発症したと考えた。

その考察に基づき、反応のあるツボを厳選し、鍼を行ったところ、短期間で症状の寛解が観察された。

来院者

60代男性

通院期間

2019年7月〜2019年8月

頻度

週2回

通院回数

7回

症状

半年前にゴルフの練習後より、右肩の痛みを発症。

手を伸ばしたり高いものを取る時に右肩の前部に痛みを感じる。

日常動作は神棚の水を取り替えるのが一苦労。

 

また、朝方、同部位が疼くため早朝に目が覚める。

 

肩以外に、右の股関節が、歩行時に痛むことがある。右手示指、中指に痺れ。

 

半年間、マッサージや整体に通ったが、変化がないので、知人の紹介で来院

施術と経過

初回)肩の前部の筋肉を緩める目的で、背中で反応が顕著であったツボと、肩甲骨の外側のツボに鍼を行う。

 

経過:初回後2〜3日は調子が良かった。

 

2回目)初回のツボに加え、下肢にある肩と関わりの強いツボにに鍼を行ったところ、左肩まで響く感じがあり、施術直後から、スーっと痛みが軽減した。

 

経過:施術後2〜3日で痛みが再燃。

 

3〜5回目)

施術を重ねる度に、手を上げる姿勢がスムーズに、痛みなくできるようになる。指の痺れも4回目以後消失。しかし、施術後2日立つと少しずつ痛みが再燃する。

 

6〜7回)

肩と股関節の動きに関わる足首のツボに鍼を行う。施術後歩行を確認すると、右股関節の動きがスムーズになり、肩も、今まで以上に楽になる。

 

経過:7回目の施術後、1週間経過をみてもらい、症状の再燃がないため、週2回の定期的な施術を終了とした。

 

その後は再発予防と健康管理のため、3週間に1度通院中。

 

 

使用したツボの一例

RT4(1.5)R府蔵2 R府蔵3 R申脈 R足太陽

まとめ

五十肩は、背骨や、腰など、肩以外の疲労や筋緊張が肩本来の動きを妨げ、肩が不自然な動きを繰り返した結果、発症することが、多い。

本症例は、胸椎と下肢・股関節の緊張が五十肩の原因と捉え施術を繰り返したところ、速やかな改善が観察された。

来院者

50代男性 公務員

通院期間

2017年~ 約2ヶ月

頻度

週2回

通院回数

12回

症状

6年前より、右の首肩甲骨周辺・首から、右腕・指先(第2・3指)に痛みと痺れがある。

 

特に朝の起きがけが一番辛く、疼くような痛み。

首を回す動作が困難で首の骨と骨の間がグラグラと不安定な感覚がある。

 

整形外科では、頚椎症性神経根症と告げられ、ブロック注射を数回行ったが変化なし。

また、ロクソニンを処方され服用中。

 

他に解決方法はないかと、インターネットで調べていたところ、当院のことを知り来院。

 

施術と経過

初回)肩甲骨周辺と首周りの緊張を緩め、血流を改善する目的で首と肩甲骨周辺に鍼を行う。

経過:施術翌日、首の痛みが初回より、2割ほど、軽減。腕、指先の痛み、痺れは変化なし。

 

2回目)右肩、首の緊張に右脇腹の張りが影響していると考え、初回の処置に、腹部の鍼を加える。

 

経過:初回時より、肩・首に痛みは5割減。腕指先の痺れと痛みも2割ほど軽減する。

 

3~9回目)施術を受ける度に、肩と首の痛みが軽減していき、9回目の施術を終えたころには、首肩・腕の痛みはほぼ消失し、肩のコリ感と指先の痺れだけが残る。

 

10~12回目)10回目以降、指の痺れを改善する目的で、腕のツボに鍼を加えるが12回目まで変化なし。

 

日常生活、仕事ともに、支障がないということで、本人の希望もあり、施術を終了とした。

 

使用したツボの一例

委中 大椎 R陽陵泉 R手三里 R天宗 R天柱 R風池 R期門

まとめ

症状の原因と考えられる、頚椎周辺に処置を行い、血流改善を計ることにより、症状を徐々に寛解へと導くことができた。

 

そのなかでも指先の症状は2ヶ月の間に取り切ることができなかった。

 

神経症状は、一般的に、痛み→痺れ→麻痺の順に進行するため、痺れの改善には、さらに施術期間が必要であることが予想された。

五十肩でお困りのあなたへ

 

 五十肩が改善したら、何がしたいですか?

 

  • 趣味やスポーツをもっと楽しみたい。
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当院では、ご縁のある方のそんな想いに応えるべく、2009年の開院以来、肩の症状で悩む多くの方と向き合ってきました。

 

病院や整体で改善しなかった場合でも、一度ご相談ください。

 

このページをお読み頂いている、あなたが、四十肩・五十肩に悩むことなく、日々を生き生きと過ごせるよう全力でサポートします。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

ゐろは鍼漢院 院長  池内 公

院長プロフィール

池内 公 1980年生まれ。

2003年 鍼灸師国家資格を取得。臨床歴20年。

 

整形外科、内科、婦人科、耳鼻科など多くの科を有する、長野県水嶋クリニックの勤務を経て、2009年鍼灸専門、「ゐろは鍼漢院」を開院。

 

現在、『一本の鍼には、一人の可能性を広げる力がある」を信条に日々奮闘中。

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