我孫子市・柏市のはりきゅう専門院

朝いちばんに感じる喉のつまり・空咳 — 首肩の緊張が関わっていた10代のケース

" 症例 "

2026年7月8日

朝、目が覚めたとき。まだ何も食べていないのに、喉の奥に「つまり」を感じる。
そして、コホン、コホンと出てしまう空咳(からせき)…。

こうした喉の違和感や空咳が数週間つづくと、「何か悪い病気では」と不安になりますよね。でも病院で調べても、はっきりした原因が見つからないことも少なくありません。

こんにちは。はり・きゅう専門院 ゐろは鍼漢院 院長の池内です。

今回ご紹介するのは、そんな喉の違和感と空咳に悩んで来院された、10代の方のケースです。

起床時に喉の違和感を感じる男性
この記事の要約
  • 来院の数週間前から、喉の違和感と空咳がつづいていた10代の方のケースです。
  • 喉の違和感は寝起きに一番強く、勉強に集中しているときは気にならない、という特徴がありました。
  • 首と肩の付け根がとても緊張しており、その緊張が喉のまわりにも及んでいると考え、手足のツボに鍼をしました。
  • 3回の施術のなかで喉の違和感・空咳がやわらぎ、あわせて肩こり・頭痛・目の疲れも軽くなっていきました。
  • ※症状には個人差があります。

ゐろは鍼漢院 院長 池内公

この記事を書いた人
池内 公(いけうち いさお)/ゐろは鍼漢院 院長。はり師・きゅう師。病院勤務で内科・整形外科・耳鼻科などの現場を経験し、臨床歴20年以上。「一本の鍼には、一人の可能性を広げる力がある」を信条に、千葉県我孫子市で施術を行っています。

数週間つづく、喉の違和感と空咳 ―― 10代のケース

来院された10代の方は、来院の数週間前から、喉の違和感と空咳がつづいていました。

お話をうかがうと、症状にはいくつかの特徴がありました。

  • 喉の違和感は、寝起き(朝いちばん)に一番強く感じる
  • 反対に、勉強などで集中しているときは気にならない
  • そのほかに、肩こり・頭痛・目の疲れにも悩んでいる

「集中しているときは気にならないのに、朝いちばんにつらい」――この感じ方は、喉のトラブルを考えるうえで、大事なヒントになります。

「自律神経」「ストレス」―― それは、実は正しい。でも

喉の違和感というと、「自律神経の乱れ」「気のせい」「ストレス」と言われることがあります。そして実は、それはまちがいではない、と私たちは考えています。

ただ、そこで話が終わってしまうと、「じゃあ、どうすればいいの?」という肝心なところが宙に浮いてしまいます。

私たちが着目しているのは、そのです。ストレスや緊張が引き金になり、それが続くことで、体には次のような変化が起きていきます。

喉にも「肩こり」と同じ”凝り”が起きている

ストレスや緊張がつづくと、筋肉はギュッと縮んだままになります。本来、筋肉は「縮む」と「伸びる」をくり返すものですが、緊張が続くと「伸びる」ほうができなくなり、縮んだままになってしまうのです。

これは、みなさんがよく知っている感覚に、とても近いものです。

  • 肩こり ―― 肩の筋肉が縮んだまま、こわばっている
  • 食いしばりによる顎(あご)の疲れ ―― 顎の筋肉が緊張しっぱなしになっている

同じことが、喉のまわりでも起きている――私たちはそう考えています。つまり、「肩こり」や「顎の疲れ」と同じような”凝り”が、喉にもある、というイメージです。

喉のまわりの細かい筋肉(舌骨筋)の図解

喉のまわりには、上の図のような細かい筋肉がたくさんあります。この筋肉たちが緊張して縮んだままになると、喉が締めつけられるような違和感につながっていくと考えられます。

寝起きに症状が強いのも、この見方だと納得がいきます。夜のあいだ、体をあまり動かさずにいると、こわばった筋肉がほぐれにくく、朝いちばんに違和感が出やすいのです。反対に、日中に何かへ集中しているときは、そちらへ意識が向いて気になりにくくなります。

なぜ、喉ではなく手足のツボに鍼をするのか

この方の体を診させていただくと、首と肩の付け根が、とても強く緊張していました。

首や肩の緊張は、その上にある喉のまわりにも影響を及ぼします。そこで、首肩のこわばりと、喉の違和感・空咳はつながっていると考え、施術を組み立てました。

このとき鍼をしたのは、喉そのものではなく、それらと関係する手や足のツボです。

10代男性への手足のツボの鍼施術

「喉がつらいのに、なぜ手や足に鍼を?」と思われるかもしれません。使ったのは、昔から次のような働きで知られてきたツボです。

  • 列缺(れっけつ)……手首の親指側にあるツボ。古くから、首や後頭部、そして喉・咳など、首から上の症状に使われてきました。
  • 合谷(ごうこく)……手の甲、親指と人差し指の骨が合わさるあたりにあるツボ。首・肩・喉の状態を整えるとされ、呼吸器の症状にも古くから使われてきました。
  • 太衝(たいしょう)……足の甲、親指と人差し指の骨の間にあるツボ。喉に何かつまったような感じ(ヒステリー球)など、喉の症状に用いられます。

いずれも、つらい喉から離れた手や足にあります。こうしたツボは、遠い昔の人たちが「ここを使うと、あの不調がやわらぐらしい」と、長い経験の積み重ねの中で見つけ出し、名前をつけて今日まで伝えてきたものです。つらい場所を直接さわらなくても、関係するツボを通して、離れた場所の不調にはたらきかけられる――東洋医学は、そうした「経験に基づく医学」だといえるのかもしれません。

「やってみたら、効いた」の奥にある、緻密なルール

東洋医学は、ときに「やってみたら、効いた、治った」の頭文字をとって「3た療法」と、少し揶揄(やゆ)まじりに言われることがあります。けれど、そのおおもとにあるのは、実践と経験の積み重ねから導かれた「作業仮説」です。

作業仮説とは、たとえば「このツボAを使うと、Bという症状がやわらぐ」という事実が積み重なったとき、「それが叶うのなら、その過程には、こういう法則があるはずだ」と考えて、ルールや手順を組み立てていく――そういう考え方です。結果が先にあり、その裏にある法則をさぐりながら形にしていく。東洋医学は、この作業仮説を気の遠くなるほど積み上げてきた、実はとても緻密(ちみつ)な学問なのです。

こう聞くと特別なことのようですが、西洋医学にも、同じように「効くとわかってから、理由はあとで解き明かされた」ものがたくさんあります。

たとえば、ワクチンのはじまりがそうです。200年以上前、牛の世話をする人たちのあいだで「牛の軽い病気(牛痘〔ぎゅうとう〕)にかかった人は、恐ろしい天然痘(てんねんとう)にかからないようだ」ということに、ある医師が気づきました。そこで「では、あらかじめ軽いほうにかからせておけば、重いほうを防げるのではないか」という作業仮説のもとに、種痘(しゅとう)という手順が生まれます。免疫のしくみが科学の言葉で説明されたのは、それよりずっとあとのことでした。

「効いた」という事実が先にあり、理由はあとから明かされる。ツボの効能もまた、いつか科学の言葉で解き明かされる日が来るのかもしれませんね。

首の深いところにある筋肉の図解

上の図は、首の深いところにある筋肉です。こうした奥の筋肉のこわばりは、外から強く押すよりも、関係するツボを介して整えていくほうが、体への負担が少なくてすみます。

施術の経過 ―― 3回で変わっていったこと

この方は、週2〜3回のペースで通われ、合計3回の施術を受けられました。

  • 初回のあと ―― 翌日、いつも寝起きに感じていた違和感が半分ほどに。一日を通して、空咳が出る回数も減っていきました。
  • 2回目・3回目 ―― 同じ考え方で施術をくり返したところ、喉の違和感・空咳はやわらいでいきました。
  • あわせて ―― 肩こりを感じることが少なくなり、頭痛の回数も減り、目の疲れも軽くなっていきました。

その後は、月に1回、健康管理のために通院を続けておられます。

※症状には個人差があり、すべての方が同じ経過をたどるわけではありません。

この症例からわかること

この方の場合、発症からまだ2週間ほどと、症状が出はじめてから日が浅かったことも、経過に良い方向へはたらいたと考えられます。

肩や首のこりは、「たかが肩こり」と後回しにされがちです。けれど慢性化すると、頭痛や目の疲れだけでなく、今回のような喉の違和感や空咳にもつながっていくことがあります。

「喉が変だけれど、病院では異常なしと言われた」
「そういえば、肩こりや首のこりもずっとある」

もし心当たりがあれば、喉だけでなく、首や肩の状態にも目を向けてみることをおすすめします。

こんな方はご相談ください

次のような症状でお困りの方は、一度ご相談ください。

  • 喉の違和感・つまり感が、数週間つづいている
  • とくに寝起き(朝いちばん)に喉のつらさを感じる
  • 空咳(からせき)が、なんとなくつづいている
  • 病院で調べても、はっきりした原因が見つからなかった
  • 喉の不調とあわせて、肩こり・首のこり・頭痛・目の疲れもある

※症状には個人差があります。気になる方は、一度ご相談ください。
※緊急性のある症状や、他の病気が疑われる場合は、まず医療機関の受診をおすすめします。

ご予約はこちら

当院は完全予約制です。
ご予約・お問い合わせは、下の3つのいずれかから、お気軽にどうぞ。

受付時間:平日 9:00〜19:00/土曜 9:00〜17:00(日・祝休み)
※キャンセルは、予約日の2日前までにご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

カテゴリー: 症例.
  • ブログカレンダー
    2026年7月
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • ブログカテゴリー
  • スタッフのブログ
    スタッフブログ
  • タグ
  • 最新記事
  • アーカイブ
  • お気に入り