突き指による腱鞘炎様の症状
" バネ指・腱鞘炎 "
来院者
60代 女性
来院者
2017年3月
頻度
週2〜3回
通院回数
5回
症状
受診3週間前に転倒時に左手を地面につき、それから、母指の付け根が痛む。また可動域制限のため、床に手をついたり、財布を開く動作などで不自由を感じる。
整形外科でレントゲンを撮ったが、骨などに異常はないとのこと。
施術と経過
単純に指が痛みや腫れで曲げられないという自動運動制限だけではなく、他動でも可動域に制限がみられた。
腱鞘炎と同じく、母指に対応した、背中のツボの状態を確認したところ、反応が認められたので、鍼をしたところ、その場で可動域が大きく変化した。
5回目が終えたところ、右手の可動域とほぼ同じになり、痛みの消失したのでここで施術を終了とした。
来院者
T7(1)L T8(1)L C7(1.5)L T1(1.5)L
まとめ
腱鞘炎は使いすぎにより、発症するが、本症例のように、外傷などを切っ掛けとして、腱鞘炎様の症状が現れることがある。
手足の動きは背骨と連動しており、手指の腱鞘炎は背骨周囲のコリなどによりの背骨の柔軟性が低下した時に関連した指に症状が出現しやすくなる。
本症例は、手指の腱鞘炎と同じく、背骨の対応部位に鍼をすることによって改善することができた。
明らかな外傷による指の疾患は、まず、骨折や靱帯の損傷を確認するために、整形外科にかかることが求められる。
しかし骨や靱帯の構造上の破壊がなければ、鍼灸は本症例のような症状に対しても大きな可能性を秘めていることが示唆された。