左足から、足首までの痛み。
来院者
60代男性
通院期間
2016年2月~
頻度
週2~3回
来院者
9回
症状
【症状】左臀部から左足首までの痛み。
【病歴】来院1週間まえ。雪かきをおこなった後、少しずつ、左臀部から足首にかけて痛みを感じるようになった。
まっすぐ、立つことができない。腰をかがめ、左側に体幹が傾いている。
触診したところ、左の膝より下が右足に比べて異様に冷たい。
脈:緊 舌:淡 腹診:下腹部の冷え
施術と経過
元々、冷え症という体質が下地があるところ、雪かきという重労働、長時間の冷えと言う条件が重なり、神経痛をおこしたと判断。
第1診
最も辛い「臀部から、足にかけての痛み」を取ることを最優先に、治療を開始する。臀部とふくらはぎにあるツボに鍼とお灸で温めるように処置を行う。
治療後、「やっぱり、1回じゃ治らないんだー」と悲しそうな表情を浮かべながら帰る。
第2診~3診
2診目、初診翌日再診。痛みが10分の6に軽減する。3診目には何とかまっすぐ立って歩けるようになる。
第4診
左膝下の冷えは大分、少なくなり、右足との温度差はさほど気にならなくなる。
第5診~8診
6診目には痛みが初診当初の10分の3。
その後、
7診時、10分の1.5。
8診時、10分の0.5 と段階的に軽減。
ただし、臀部の重だるさは残る。
第9診
9診目以降は、仕事の都合もあるとのことで、自宅でできるお灸と再発予防の体操を指導し、治療の間隔を少し空けることにした。
ときどき、患部の重だるさは出るものの、その後の良好な状態を保っている。
使用したツボの一例
環跳L 飛揚L 関元
まとめ
鍼灸は「寒(冷え)」と「熱(ねつ」という考え方があり、この寒熱の偏りが病を引き起こす原因の一つとして考えられています。
この症例は、ヒアリング情報とその他の検査方法から、寒熱の偏りを正しく判断し、「体を温める」という目的に徹したことが、段階的な改善要因となりました。