朝、床に足をついた瞬間に電気が走る——その痛みの正体は?
朝、床に足をついた瞬間——その痛みの正体は?
朝、目が覚めて床に足をついた瞬間、足裏に激しい痛みが走る。
そんな経験、想像するだけでもつらいですよね。
今回ご紹介するのは、30代の方の事例です。
4年前から足裏に軽い違和感はあったものの、だましだましやり過ごしてこられたそうです。
しかし来院の4日前、ついに限界を迎えます。
左足の指のつけ根に電気が走るような激しい痛みが出現し、歩くことが困難な状態に。
小さなお子さんを立って抱っこするだけでも痛みが生じるようになり、育児という日常の動作にまで支障が及んでいました。
「足が痛いのに、なぜふくらはぎに?」
足の裏が痛いのに、なぜ離れた場所にアプローチするの?
そう思われる方も多いと思います。
東洋医学では、「痛みのある場所だけを見るのではなく、体全体のつながりを見る」という考え方を大切にしています。
初診時の触診と動作確認をていねいに行ったところ、ふくらはぎの筋肉に強い緊張が見られました。
ふくらはぎが硬くなることで、足裏にかかる負担が増えている——そう判断したのです。
まずはふくらはぎへのアプローチを2回。すると、あれほど激しかった足裏の痛みが少しずつ和らいでいきました。
痛みが落ち着いたあとに残ったもの
痛みが和らいだあと、今度は「しびれ」が浮き彫りになってきました。
痛みという急性の反応が引いたとき、体の深いところにある慢性的な緊張が顔を出すことがあります。
これはよくあるプロセスです。焦らず、次の段階へ進みます。
3回目以降は視点を広げ、骨盤まわりや首の柔軟性に着目することにしました。
臀部(おしりまわり)の硬くなっている部分に働きかけていくと、体全体の緊張がゆっくりとほぐれはじめ、しびれも段階的に和らいでいきました。
足とは一見無関係に思える場所を整えることで、変化が生まれる。体のつながりを実感できる瞬間です。
最後まで残った「紙一枚の違和感」
5〜6回目のころ、「足裏に紙一枚貼ったような違和感が残っている」とおっしゃっていました。
痛みもしびれも和らいでいる。なのに、何かが引っかかる。
この微細な感覚の背景を探ると、長年の痛みによって染み付いた「かばい癖」が見えてきました。
左足をかばい続けた結果、右足へ重心で常に生活をする癖がついていたのです。
そこで右膝の外側に位置するツボに施術を行い、体重の乗り方そのものを整えるアプローチへ。
右膝のこのツボに鍼をする、狙いは左足底に荷重をかけやすくする事にありました。鍼灸にはこのように、左の症状を右のツボで調節したり、下半身の症状を上半身に位置するツボで整えるというテクニックが存在します。
施術後の歩行を確認すると、左右均等に体重をかけられるようになっていました。
そして6回目の施術から数日後——最後まで残っていた「あの違和感」も、気づけば消えていたとのご報告をいただきました。
この事例から伝えたいこと
2023年6月から8月、週1回・計6回の施術を経ての経過でした。
この事例が示しているのは、「痛む場所が、必ずしも原因の場所ではない」ということです。
足裏の症状であっても、ふくらはぎ・骨盤・臀部・首という「全身のバランス」に目を向けることで、変化が生まれることがあります。
「足が痛いから足をケアする」という発想を、一度手放してみてください。
思いがけない場所に、不調の糸口が隠れているかもしれません。

こんな方はご相談ください
- 朝起きて最初の一歩が痛い
- 足の裏や指のつけ根にしびれがある
- 歩くたびに痛くて日常生活に支障が出ている
- 以前から足裏に違和感があり、最近悪化してきた
- 育児や仕事で長時間立つことが多い
ひとりで抱え込まずに、まずはお気軽にご相談ください。
症状には個人差があります。お悩みの方は専門家にご相談ください。
“`
鍼灸専門 ゐろは鍼漢院 院長
2009年「ゐろは鍼漢院」開院 現在臨床暦20年以上。
「一本の鍼には、一人の可能性を広げる力がある」
を信条に日々奮闘中。
2012年より、「日本獣医中医薬学院」の専任講師として
今日まで、100人以上の獣医師の鍼灸教育に関わる。
詳しい、プロフィールはこちら








