麻痺症状の前に頭痛をともなった顔面神経麻痺(50代男性)
来院者
50代男性
通院期間
2019年9月〜10月
頻度
週2回
通院回数
8回
症状
3日前に顔の左側に不自由さを感じる。まぶたが閉じづらく、鏡を見ると左顔面部が垂れ下がっていた。口も左側半分が動かなかった。
顔の不自由さを感じる、数日前から、偏頭痛のような痛みが左側にあった。
ホームページを、見て来院。まだ、病院にかかっていなかったため、腕のしびれの有無などを確認し、直ちに耳鼻科に行くことを勧める。
その後、耳鼻科でベル麻痺と言われ、1週間ステロイドと抗ウイルス薬による処置を経て再び当院に来院。鍼灸施術を開始する。
経過と施術
首肩から背中にかけて、左側がこわばっていた。
特に肩甲骨の上角から、後頭部にかけて、石のようにかたい硬結を確認。指で押圧すると、目と顔のほうにツンと響く感じがあるという。
肩背部の緊張を和らげる目的で手足のつぼに鍼を打ち10分間置く。
施術後、左顔面部がぽかぽかの温かい感覚を覚える。
初回施術翌日、瞬きが少し行いやすくなる。耳の後ろにあった頭痛も消失。
週に2回同じ施術を繰り返したところ、8回目の施術を行うころには、唇の下がりもなくなり、食事やうがいが上手にできるようになる。
左口角にわずか痺れた感覚があるが、「それ以外は発症前とかわらない」ということで1週間経過観察をしてもらう。
最終来院日の一週間後、電話にて口角の痺れもなくなったことを確認し、終了となった。
使用したツボの一例
合谷L 孔最L 百会 中腰R 承山L
まとめ
顔面神経は耳のすぐ下の茎乳突孔という出口を通り顔面の筋肉まで伸びています。
この付近の筋肉に異常なコリがあると、神経への血液供給を妨げたり、顔面神経自体を圧迫してしまいます。
本症例では、確認できた、コリを適切な施術で緩めることが、症状改善の突破口となりました。