我孫子・柏のはりきゅう専門院

顔面神経麻痺

来院者

70代女性

 

通院期間

202☓年9月〜10月

 

頻度

週2〜3回

 

通院回数

10回

症状

朝食時にコーヒーが口からこぼれる。脳からの異常を心配し、脳外科で検査を受けたところ、末梢性の顔面神経麻痺と告げられる。

 

右目が閉じれることができず、口角は左側に引っぱられ、「イー」と「ウー(口を尖らせる動作)ができない。その他、額にシワを寄せることが十分にできず。

 

耳閉感、聴力の低下(+)

 

プレドニン5mg、オフロキサシン処方

 

「顔面神経麻痺には、鍼がいい」と知人に勧められ、来院。

経過と施術

初回

右耳周辺(側頭部)から、首筋、肩にかけて、こわばりが強く、触ると、明らかに左側の同部位よりも硬かった。

顔首まわりを緩める目的で、手足首周りのツボに鍼を行う。

2~4回目

3回目 右側の筋肉が少し動く感覚が、現れ、見た目も左側の表情に徐々に近づいてきた。初回では、眉の高さが右と左で異なっていたが、4回目の施術が終わるころには、下がっていた右の眉が、左の眉の高さに揃う。耳の塞がり感もいつの間にか消えていることに気づく。

5〜10回目

5回目 肩周りがスッキリ軽くなり、「羽がは生えたように軽い」という。

8回目 瞬きをすると、まだ、完全にまぶたを閉じることは、できないが、初回の時に見られた、左の瞬きに遅れてゆっくり閉じるような動作はみられず、左右同時にパチパチとまぶたを動かすことができるようになる。

 

9回目 右まぶたが少し重いと感じることがあるがほとんど気にならない。

10回目 顔の表情と動きに左右差ないことを確認し終了とした。

 

その後は、肩こりの施術を隔週でおこなっているが、顔面の硬直。共同運動などの後遺症はでていない。

使用したツボの一例

合谷 精霊 飛揚 築賓

 

まとめ

発症後、病院の処置に早期から鍼灸を併用することで後遺症を残す事なく回復がみられた一例。

来院者

40代男性

 

通院期間

2022年5月〜6月

 

頻度

週2回

 

通院回数

12回

症状

来院3週間前に口より、水が溢れることがあり、その翌日、右側の顔が垂れ下がっていることに気がつく。

 

緊急で病院で検査をしたところ、MRIで脳の異常は認めれれず、その後耳鼻科にかかり、ベル麻痺と告げれる。ステロイド、ビタミン剤、抗ウイルス薬を処方される。

 

発症2週後、筋電図検査を行ったところ、左側に比べ、24%しか、顔の筋肉が機能していないことがわかる。

 

右瞬き困難。右額の皺寄せられず。口から、食べ物や、水が溢れる。めまい、耳鳴りはなし。。

 

発症3週間後、鍼灸を希望して来院

経過と施術

顔面神経麻痺の出口である、耳の後ろの強張りと首周辺の強張りを柔らかくすることを目標にツボを選び鍼をおこなった。3回の施術を繰り返したところ、特に変化の兆しは観察できなかったが、5回の施術後より、口の動きやすくなる。

 

その後、瞬きや額の皺も少しずつ寄せられる様になり12回の施術をもって終了となった。

使用したツボの一例

合谷R  

まとめ

顔面神経麻痺は、首肩、肩甲骨、鎖骨周辺の凝りが、顔面神経への血液供給を妨げ、回復を妨げていることが、多い。

 

本症例では、顔面に直接鍼を刺すのではなく、首肩周辺の強張りを緩めることで、回復ば見られた。

来院者

50代男性

 

通院期間

2019年9月〜10月

 

頻度

週2回

 

通院回数

8回

症状

3日前に顔の左側に不自由さを感じる。まぶたが閉じづらく、鏡を見ると左顔面部が垂れ下がっていた。口も左側半分が動かなかった。

 

顔の不自由さを感じる、数日前から、偏頭痛のような痛みが左側にあった。

 

ホームページを、見て来院。まだ、病院にかかっていなかったため、腕のしびれの有無などを確認し、直ちに耳鼻科に行くことを勧める。

 

その後、耳鼻科でベル麻痺と言われ、1週間ステロイドと抗ウイルス薬による処置を経て再び当院に来院。鍼灸施術を開始する。

経過と施術

首肩から背中にかけて、左側がこわばっていた。

特に肩甲骨の上角から、後頭部にかけて、石のようにかたい硬結を確認。指で押圧すると、目と顔のほうにツンと響く感じがあるという。

肩背部の緊張を和らげる目的で手足のつぼに鍼を打ち10分間置く。

 

施術後、左顔面部がぽかぽかの温かい感覚を覚える。

 

初回施術翌日、瞬きが少し行いやすくなる。耳の後ろにあった頭痛も消失。

週に2回同じ施術を繰り返したところ、8回目の施術を行うころには、唇の下がりもなくなり、食事やうがいが上手にできるようになる。

 

左口角にわずか痺れた感覚があるが、「それ以外は発症前とかわらない」ということで1週間経過観察をしてもらう。

 

最終来院日の一週間後、電話にて口角の痺れもなくなったことを確認し、終了となった。

使用したツボの一例

合谷L 孔最L 百会 中腰R 承山L

まとめ

顔面神経は耳のすぐ下の茎乳突孔という出口を通り顔面の筋肉まで伸びています。

この付近の筋肉に異常なコリがあると、神経への血液供給を妨げたり、顔面神経自体を圧迫してしまいます。

本症例では、確認できた、コリを適切な施術で緩めることが、症状改善の突破口となりました。

来院者

30代女性

 

通院期間

2019年8月上旬から約1ヶ月

 

頻度

週2~3回

 

通院回数

7回

症状

7月末に左目がピクピクと痙攣するような感覚があり、その翌日、痙攣する場所が唇周辺までに広がる。

 

更に2日後の夜。左側の口、目、額が思うように動かない事に気がつく。

 

大学病院の耳鼻科を受診したところ、ベル麻痺と告げられ、即入院。(入院期間は1週間。ステロイドとバルトレックスによる処置を行う)

 

1週間の入院期間中に症状の変化がみられず不安になったため、退院した翌日、鍼灸を希望し来院。

 

主な症状

・口がうまく閉じることができない。

・額にしわがよせられない。

・瞬きができない。

・唇がしびれた様な感覚がある。

※顔面神経麻痺発症に伴う味覚異常やめまい耳鳴りはなし。

 

日常不便に感じること

・洗顔や洗髪の際に目を閉じることができない。

・歯磨きが思うようにできない。

・食事がうまくとれない。

・うがいの際に水が漏れてしまう。

 

既往歴

突発性難聴(左側)を数年前の患い、常にキーンとした耳鳴りがしている。

平均睡眠時間4~5時間

経過と施術

初回

左首から、肩にかけて、硬結(こり)が観察できた。

この硬結を取り除き顔面神経への血液供給を促す目的で首肩に作用するツボに鍼を行い、その日は終了とした。

その他の生活指導:睡眠不足、飲酒は回復を妨げるので、それらに配慮するように伝える。

 

経過:帰宅後、口角が少し上がっているような気がした。

2~6回目

肩首耳周りを調べたところ、初回施術前より、緊張が和らいでいたため、施術方針に変更なし。

 

毎回、施術を受けた後は、左顔面部の麻痺をしている部分が、トクトクと脈を打ちながら血液がながれていくような感覚があり、その後、皮膚のツッパリが軽減することを自覚。

 

6回目施術前。表情は、左右対称にもどり、瞬きや口の動きを見てもどちらが麻痺側なのかわからないくらいに回復。

 

左口角にしびれるような、まだ鈍いような感覚が残っているとのこと。

7回目

左口角のしびれも消失したことを確認し7回の施術をもって、当院での施術は終了とした。

使用したツボの一例

手三里L 孔最L 合谷L 承山L

 

まとめ

本症例では、発症後、すぐに耳鼻科に掛かり適切な処置を受けている。

 

さらに、退院後翌日より、鍼灸による施術を集中的に受けることで短期間で回復がみられたと考えられる。

 

来院者

60代女性

 

通院期間

2018年5月〜6月

 

頻度

週2~3回

通院回数

8回

症状

来院の10日ほど前、右顔面部に動きにくさと、咀嚼時のかみ合わせの悪さを感じ、病院を受診。
脳の検査など一通りおり受け、末梢性の「顔面神経麻痺」と診断される。

 

50年前にも一度、顔面神経麻痺になった経験があり、その時の辛い経験から、なんとか長引かせずに、回復したいという思いで来院。

 

主な症状

・咀嚼の際、うまく噛めない。

・瞬きをする際、まぶたが閉じきらない

・肩がものすごくこる

経過と施術

初診時は、まぶたの動きと口角の動きの左右差が顕著であった。特に「いー」という際に右側の口が動かず、左側に引っ張られる。

首肩・耳の周辺の緊張状態を確認すると、右の項から、背中にかけて、強い緊張が観察された。

 

確認した部位の緊張を取り除くために、手足、背中のツボに鍼を行い、初回の施術を終了とした。

初回施術後の翌朝、朝食をとる際に、咀嚼がスムーズにできるようになっている事のきがつく。

 

2回目以降も、施術を受けるごとによっくなっている感覚があり、5回目の施術を受ける頃には、瞬きが健康な左側と同じようにできるようになる。

8回目。「い~」の口が左右対称に行えるようになったため、施術を終了とした。

使用したツボの一例

合谷R 手四芯R 殿中根R 承山R

まとめ

口の動きの回復に要する時間は、瞬き動作などその他の動きに比べて時間がかかるケースが多い。しかし、施術に必要なツボを厳選し、集中して施術をおこなうことで短期間で改善がみられた。

 

来院者

20代男性

 

通院期間

2018年4月〜5月

 

頻度

週2~3回

 

通院回数

12回

症状

来院2週間前。帯状疱疹になり、耳鼻科にて治療をうける。ステロイドと抗ウイルス剤により、疱疹と耳周辺の痛みを消失したが、その後、顔の動きに違和感を自覚するようになり、瞬きがしにくくなったため、再度耳鼻科を受診したところ「ハント麻痺」と診断される。

 

耳鼻科では薬(プレドニンとバルトレックス)を処方されたが、鍼灸施術の併用も希望して来院。

経過と施術

初回~3回

初回から3回目まで、首の付け根と左肩甲骨の硬さを取り除き顔面部への血流を促す目的で鍼を行う。

 

経過:3回目の施術、翌日あたりから、顔周りがスッキリ軽くなる感覚がでてくる。

4~6回目

瞬きの速さに左右差はあるものの、目が完全に閉じれるようになる。

口も風船を膨らます動作がすこしできるようになる。

7〜12回目

「日に日によくなっているね」と家族から言われる。(本人談)

 

12回の施術が終える頃には、顔の表情や動きがほぼ正常になり、治療を受けていた、耳鼻科でも「もう大丈夫だね。」といわれたため、本人の希望もあって12回の施術をもって終了とした。

使用したツボの一例

精霊L T5(0.5)R 承山L T4(2)L 百会

まとめ

同じ顔面神経麻痺でも「ベル麻痺」にくらべて、「ハント麻痺」は後遺症が残りやすいと言われている。

 

本症例では、「めまい」や「耳鳴り」などの内耳症状の併発がなく、早期より病院で投薬をうけ、鍼灸施術を開始したという好条件が、回復の大きな要因と考えられる。

 

来院者

30代女性

 

通院期間

2021年1月〜

 

頻度

ほぼ毎日

 

通院回数

5回

症状

来院1週間前、右目の閉じにくさに気がつき、耳鼻科にかかったところ、ベル麻痺と告げられる。

 

口の動きや感覚は問題ないが、右目の瞬きが行い難い。

 

病院では、ステロイド剤、ビタミン剤、抗ウイルス剤を処方された。日に日によくなっている感覚はあるが、早期回復のために他にできることは、ないかと考え、鍼灸を希望し来院。

 

主訴との因果関係は不明だが、発症2日前、右の奥歯が痛み、歯の処置をした後から、肩の痛みを感じ、その後、症状が出現した.

経過と施術

耳周辺から、首筋かけて、右側の緊張が強い部分を入念に調べ、鍼を行った。

 

経過:施術翌日以降、夜に目の疲れを自覚するものの、今までしにくかった瞬きが以前よりスムーズにできるようになる。

 

同じ施術を以後、4回繰り返したところ、夜の目の疲れも感じなくなった為、施術を終了とした。

使用したツボの一例

合谷R 開魄R 中腰L  飛揚R  築賓R  

まとめ

元々、投薬による処置を早期に行い、症状改善傾向が見られていた.そこに鍼による施術を併用することで、更なる回復が見られたと考えられる.

来院者

50代男性

 

通院期間

2021年10月〜12月

 

頻度

週3回

 

通院回数

17回

症状

来院3日前。仕事の帰宅後、舌と顎のあたりに違和感を覚える。

(その他:発症前日は右の肩こりが、いつもより、酷く気になっていた)

 

翌朝、うがいをする際に、口から水がこぼれ落ちたことで異変を感じた。

 

鏡を見たところ、顔の右半分の皮膚が垂れ下がっている事に驚き、近くの耳鼻科にかかったところ、ベル麻痺と告げられる。

 

うがいの際に口から水が溢れるほか、額にシワを寄せる動作が行うことができない。眉毛の位置も左より、右側の眉が1cmほど下がっている。

 

耳鼻科では薬(プレドニンとバルトレックス)を処方され、その後、経過を観察すると言われたが、少しでも早い回復を望み、鍼灸による施術を希望し来院。

経過と施術

来院初回。顔面神経の出口である、耳後ろ周辺のコリを和らげる為に手足のツボに鍼を行う。しっかりと目的の場所が柔らかくなっていることを確認し初回の施術を終えた。

 

その後同じ施術を10回目まで継続。施術後は決まって、帰宅までの間に、まぶたや口元あたりがピクピクと痙攣する感覚があり、その後、患部が「ダーッ」っと暖かくなるとのこと。

 

11回目以降、それまでの施術に加え、首と肩甲骨のコリに対して鍼を随時行う。

 

12回の施術が終える頃には、左右の眉毛の高さがほぼ揃い、額にシワが寄せられるようになる。

 

徐々に口周辺の動きもよくなり、口に水を含んでもこぼれず、食事も問題なく取れるようになる。

 

唇のしびれたような違和感は、わずかに残るものの、顔面神経麻痺のことを忘れるくらい日常生活を送れるまで回復したため、17回の施術をもって終了とした。

使用したツボの一例

外谷R 養老R 足三里R 承山R 白腰L T3(1)R

まとめ

顔面神経麻痺は、発症後どれだけ、施術を早く開始するかが、その後の回復と後遺症の有無を左右する。

本症例では、耳鼻科の検査後、すぐに薬の服用と合わせて鍼灸施術を集中的に行ったことが、早期回復に繋がったと考えられる。

来院者

30代女性

 

通院期間

2021年9月〜10月

 

頻度

週2回

 

通院回数

6回

症状

発症一週間前。ストレスを強く感じることがあり、耳が一瞬遠くなる感覚があった。その後、頭痛・右耳〜右顔面部の痛みを感じ、痺れ・麻痺などの症状が出現。

 

耳鼻科で調べてもらったところ、耳の中に水疱があることがわかり、帯状疱疹による顔面神経麻痺(ハント症候群)と告げられる。

 

ステロイドや抗ウイルス剤、ビタミン剤などを処方されたが、改善が見られないため、不安に思い、鍼灸を希望し来院。

 

その他の症状:肩こり 頭痛 立ちくらみ イライラ

経過と施術

初回、顔面部と肩周辺を調べると右肩から首筋、耳周辺まで、非常に強い凝りがあることを確認。

凝りを柔げ、顔面に新鮮な血液を届けることが、回復を助けると考え、肩周辺に関係するツボに鍼を行う。

 

翌日、右顔面周辺の突っ張ったような感覚が軽減していることに気がつく。

 

3回目の施術後。右目の瞬きができるようになるが、左顔面の筋肉が疲れる。(左も麻痺の症状が出るのではないかと不安になる)。

 

瞬きができるようになると、それまで気にならなかった、右鼻つまり感が気になるようになる。

 

4回目以降、左の表情筋の疲労を取る処置を加える。

5回目の施術が終わるころ、肩から首にかけてのコリ感が和らいでいくのを自覚するにつれ、鼻の詰まりが消失。

 

額のシワができるようになったことを確認し6回目の施術で終了とした。

使用したツボの一例

合谷 開魄  中腰  承山

まとめ

顔面神経麻痺のうち、一般的に、ハント症候群は、後遺症が残る可能性が高く、改善が難しいと言われている。

 

本症例は、発症まもなく、西洋医学による、適切な処置に鍼灸を併用することにより、早期に改善が見られた珍しい症例。

来院者

40代女性

通院期間

2020年4月~5月

頻度

週2回

通院回数

9回

症状

はじめ、耳にズキズキするような違和感があり、その翌朝、左顔面部の動きにくさを感じた。また耳の中に水疱のようなものができていたため、近くの脳神経外科で、検査を受けたところ、「ハント麻痺」と告げられる。

 

2週間、点滴(プレドニン)と飲み薬により経過観察を行い、水疱は消失。徐々に顔表面の違和感も軽減していったが、①額にシワを寄せる動作②瞬き動作③口をすぼめる動作が困難なため、鍼灸を希望し、来院。

 

聴覚障害やめまい、味覚障害などはない。

 

服用薬

①プレドニン
②メコバラミン
③トコフェロール ニコチン酸エステル
④シアノコバラミン(目薬)

施術と経過

初回

首から、肩にかけて、触ると、左の首筋のコリが観察できた。

このコリが、顔面神経への血液の供給をさまたげていると考え、首を緩める目的で、手足のツボに鍼を行う。

 

経過:帰宅後、体全体がポカポカと温まり、顔の筋肉が若干動かしやすくなっているような気がした。

2~5回目

右を振り向いた時や、右に首を傾けた時に左首筋の一点に張るような痛みが起きるという来院者の訴えから、この一点のコリをとり、動きをスムーズにすることが、症状回復につながると考えた。背中と肩にあるツボに鍼を行ったところ、首の可動域が広がる。

同じ施術を週に2回のペースで継続したところ、徐々に口元が軽くなり、口角が上がるようになる。

6~9回目

7回目施術時点では、初回当初、確認していた左首筋のコリは1/3程度になっていた。また、多少、左顔面部に違和感は残るものの、見た目は右顔面部と同じになり、額にシワを寄せる動作や、瞬き動作も行えるようになったため、9回目で施術を終了とした。

 

 

 

使用したツボの一例

項強 築賓 養老

まとめ

顔面神経麻痺でも、ハント症候群はベル麻痺と比較して、重症化しやすく、後遺症も残りやすい。事実、鍼灸で対応した場合も、施術が長期間に及び難航するケースが多い。

 

本症例では、「首筋の緊張を的確に緩め、新鮮な血液供給を顔面に促す。」というシンプルな施術方針が功を奏し、かつ集中的に施術を繰り返すことで早期回復がみられた。

来院者

60代男性

通院期間

2019年4月〜6月

頻度

週2〜3回

通院回数

17回

症状

朝、歯磨きをする時に、口から水がしたたり落ち、さらに翌日の朝、鏡を見ると、顔の右側が歪んでいる事に気がつく。

その翌日に病院で検査を受け、ベル麻痺と告げられ、2週間の入院生活を余儀なくされる。

 

入院中は、ステロイドによる処置を3クール行うが症状に変化なし。退院した翌日。鍼灸の施術を希望して当院に来院。

 

【服用薬】ビタミン剤 血流をよくする薬

施術と経過

初回〜7回目

施術内容:顔面神経の通り道である耳周辺の筋肉の緊張を和らげ、顔面神経及び、表情に関わる筋肉に新鮮な血液を行き渡らせる目的で、手と肩甲骨周辺にあるツボに鍼を行う。

 

経過:

初回後「『目の開きが少し良くなったね』と妻に言われた。」との報告をうける。施術直後肩が少し重い気がしたが翌日には逆に軽くないるように感じた。

 

2回目施術後、帰宅すると右目から涙がポロポロと流れた。以前より、よく眠れる。よく眠れた次の日は顔がスッキリしていて調子がよい。

 

7回目後。まぶたが閉じやすくなり、目が以前のように乾かなくなった。飲食、うがい時に口からものがこぼれる事もほとんどなくなる。

8〜17回目

8回目以降あまり調子が良くない。口角も以前のように重さを感じる。

 

口をすぼめる動作をしてもらったところ、左に比べて、右の首筋前の筋肉がうまく動いていないことから、同部位を緩める目的で手と足のツボに鍼をおこなう。

 

経過:

9回目施術後。口の重さが軽くなり、すぼめる動作が行いやすくなる。

 

11回目施術後。今までおデコの皮膚のツッパリがなくなり、この頃より、皺がうっすらと作れるようになる。

 

17回後。まだ、顔の表情に左右差はあるが、おでこにしっかりと皺かできるようになったのを確認し、施術を終了とする。

 

使用したツボの一例

合谷R 開魄R 養老R 項強R 外谷R 

まとめ

二週間の入院後、鍼灸の施術を開始し、徐々に改善が見られた症例。

首肩の凝りを和らげ、顔面神経と表情筋の血行促進したことが症状改善につながったと考えられる。

来院者

20代女性事務員

通院期間

2020年1月~ 2週間

頻度

週2~3回

通院回数

3回

症状

2020年1月3日頃から、顔の右側が動かしづらくなった。目を閉じる動作

が思うようにできないため、常に目が乾いた状態が続いている。

 

口も動かし辛く、物が食べにくい。発症した、翌日病院で検査をうけたところ、「ベル麻痺」と告げられ、通院にて、ステロイド剤の投薬をはじめる。

 

発症後、3日目が最も症状がひどく、4日目以降、多少、改善しているように感じた。

 

その後、「早期回復するためには、鍼灸もうけたほうがいい」と知人にアドバイスを受け、発症7日目に当院に来院。施術を開始する。

 

その他:味覚は左に比べて、右側でものを食べた時のほうが、味が薄く感じる。聴力には、問題なし。

施術と経過

初回)首と肩周辺の状態を確認すると、右側の首と肩甲骨周辺の筋肉の緊張が顕著であった。そこで、そのコリを緩和する目的で手と足に鍼を一本ずつ打ち、更に、うなじ周辺を緩める目的で背中に鍼を2本行った。

 

経過:施術翌日の朝、口を濯ぐ時に、口の動きがスムーズになっていることに気がつく。

朝食時に、ご飯を口に含み、ゆっくり咀嚼すると違和感なく行えることに驚く。

 

2回目)口の動きはズムーズになるが、額のシワ寄せと瞬きの動作が健康な左側と比べて遅く、わずかに時差がある。

施術方法は、初回と同じ。

 

3回目)額のしわ寄せと、瞬き動作が左とほぼ同じように、行うことができるまで回復。

初回~2回目までと同じ施術を行い、終了とした。

 

 

使用したツボの一例

合谷R 開魄R T2(2)R T6(2)R

まとめ

発症後、ステロイドによる病院の処置と鍼灸を併用し、早期に回復した症例。

 

顔面神経麻痺の重症度は様々で、後遺症が残ってしまうケースもあるが、本来院者は、発症後4日目以降より、やや、改善傾向にあった。

 

そこで、鍼灸の施術を開始し、原因と思われる肩や首のコリを解消し、顔面神経に新鮮な血液を送るようにすることが、早期回復の一助となったと考えらる。

※効果には個人差があります。

院長プロフィール

池内 公 1980年生まれ。

2003年 鍼灸師国家資格を取得。臨床歴20年。

 

整形外科、内科、婦人科、耳鼻科など多くの科を有する、長野県水嶋クリニックの勤務を経て、2009年鍼灸専門、「ゐろは鍼漢院」を開院。

 

現在、『一本の鍼には、一人の可能性を広げる力がある」を信条に日々奮闘中。

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