短期間で回復がみられたハント麻痺
" 顔面神経麻痺 "
来院者
20代男性
通院期間
2018年4月〜5月
頻度
週2~3回
通院回数
12回
症状
来院2週間前。帯状疱疹になり、耳鼻科にて治療をうける。ステロイドと抗ウイルス剤により、疱疹と耳周辺の痛みを消失したが、その後、顔の動きに違和感を自覚するようになり、瞬きがしにくくなったため、再度耳鼻科を受診したところ「ハント麻痺」と診断される。
耳鼻科では薬(プレドニンとバルトレックス)を処方されたが、鍼灸施術の併用も希望して来院。
経過と施術
初回~3回
初回から3回目まで、首の付け根と左肩甲骨の硬さを取り除き顔面部への血流を促す目的で鍼を行う。
経過:3回目の施術、翌日あたりから、顔周りがスッキリ軽くなる感覚がでてくる。
4~6回目
瞬きの速さに左右差はあるものの、目が完全に閉じれるようになる。
口も風船を膨らます動作がすこしできるようになる。
7〜12回目
「日に日によくなっているね」と家族から言われる。(本人談)
12回の施術が終える頃には、顔の表情や動きがほぼ正常になり、治療を受けていた、耳鼻科でも「もう大丈夫だね。」といわれたため、本人の希望もあって12回の施術をもって終了とした。
使用したツボの一例
精霊L T5(0.5)R 承山L T4(2)L 百会
まとめ
同じ顔面神経麻痺でも「ベル麻痺」にくらべて、「ハント麻痺」は後遺症が残りやすいと言われている。
本症例では、「めまい」や「耳鳴り」などの内耳症状の併発がなく、早期より病院で投薬をうけ、鍼灸施術を開始したという好条件が、回復の大きな要因と考えられる。