足のしびれを伴う腰痛
来院者
20代男性
通院期間
2017年1月~
頻度
週2~3回
来院者
8回
症状
3年前より、徐々に腰の痛みを自覚。
長時間の運転や、座っている姿勢で最も痛みを自覚するが。
寝転がっている時にも痛みを感じる。
ここ2ヶ月は、右太ももの裏に痺れと足首から下に冷えを自覚するようになった。
過去に何度か整形外科でレントゲンをとるも、骨には異常がないとのこと。
痛み止めを処方されるが、服用してもあまり変化がないため、
何か他に良い方法がないかと模索していたところ、当院を友人に紹介され来院。
鍼灸は初めて。
その他の症状
- 右肩甲骨の周辺が時々、引きつるように痛くなる。腰痛と同じく、3年前から徐々に痛みを自覚。
- 歩行時に股関節の付け根が痛むことあり
- 歯ぎしり
- 不眠
施術と経過
初診
下肢の痺れるエリアから、、原因となる病巣は仙骨稜の硬結(腰部と臀部の境界)にあると考え、関連するツボに鍼を一本行った。
座り仕事の時間が長いため、正しい座り方を指導し、この日は終了する。
第2診~3診
第一診後、右足の痺れが、半減。腰の痛みはそれほど変わらない。
「痺れ」が気にならなくなった分、腰の「痛み」が前以上に気になるという。
引き続き、右足のしびれの治療を目的に第1診のツボに治療を行う。
第4診
3診後、下肢のしびれはほぼ消失。右足先の冷えも感じなくなった。
歩行時の股関節の付け根の痛みも消失していることに気付く。
腰部~臀部に及ぶ痛みの領域は、狭まりピンポイントで痛みを感じるようになる。
腰を緩める目的で臀部にあるツボに鍼をおこなった。
第5診~7診
4診後、腰の痛みは忘れるくらい楽になる。治療後3日後、少しずつまた痛みが出現。
4診で行った治療を継続する。
第8診
最後に治療をおこなってから、腰の痛みは消失。
3月1日現在肩の治療を目的として通院中。
使用したツボの一例
空膠(右) 承山 外秩辺(R)
まとめ
神経痛は、通常その重症度にあわせて、
痛み→しびれ→麻痺
の順で進行し、治癒へ向かう場合はこの逆を辿るケースが一般的です。
本症例の患者は、3年間続く腰痛に加え、2ヶ月まえから、右足に痺れを自覚していました。
問診と検査から原因を特定し、治療目的をはっきりさせることで、 「痺れの緩解→消失→痛みの軽減・痛むエリアの減少→痛みの消失」と、段階的に回復がみられた症例です。