ステロイド治療後再発した腱鞘炎
" バネ指・腱鞘炎 "
症状
【症状】右母指の腱鞘炎
三年前に発症し、ステロイド注射を受ける。
その後二年間症状は落ち着いていたが昨年7月に再発。
医師に「ステロイドの注射は繰り返し打つと、腱をもろくしてしまうのでお勧めできない」といわれ、その後は電気治療と抗炎症剤、湿布などで改善を試みたが、一向に痛みと腫れが退かない。
文字を書く動作やPC作業が特に辛い。
来院者
50代女性
通院期間
2018年5月〜6月
頻度
週2回
通院回数
10回
来院者
【初回~3回目】
母指と手首の動きを細かく観察したところ、頸椎と胸椎の動きに問題があると予測し、鍼を行う。施術直後、母指の動きが僅かに改善していることから、その後3回目まで同じ処置を行う。
【4回~10回目】
4回目の施術を終えるころから、母指の動きの改善に伴い、痛みと腫れが徐々に軽減。
10回目。痛みが8割方消失し、PC作業もストレスなく行えると報告を受ける。
その後はセルフケアとして自宅でお灸をするよう指導し現在は、月1回、体調管理、健康増進を目的として通院中。
使用したツボの一例
T1(1)R C7(1)R
まとめ
本症例のように、ステロイド注射を繰り返し受けた後、鍼灸を希望し来院される方は意外に多い。
本症例は、手の腱鞘炎の原因を手指単独の問題と考えず、関連性の高い脊柱を注意深く観察、施術を行うことで改善がみられた。