アキレス腱・踵の痛み
来院者
50代女性
通院期間
2023年8月〜 約2週間
頻度
週2回
通院回数
3回
症状
1ヶ月前から、ランニング中に少しずつアキレス腱あたりに痛みを感じるようになった。走りはじめは、気にならないが1kmくらい走ると、徐々に痛みを感じるようになる。その他、寝起きの第一歩が痛い。
はじめは、左足だけに感じていた痛みが、右足にも感じるようになり、ランニングも控えるようになった。
2ヶ月後にマラソン大会に出場する予定があり、一日でも早く、トレーニングを再開したい。
所見
食欲あり。睡眠良好。便秘傾向。小便の量は少なく、夜間尿1回。下肢がむくみやすい。肌の色は浅黒く、乾燥している。
脈:渋脈 舌:瘀血
経過と施術
経絡の足の太陽膀胱経の走行に沿って、調べると、腰椎5番と仙椎の間が狭く、動きが悪かった。
下肢のむくみと小便の排泄回数から、腎気不足を疑う。
また、表裏関係にある、膀胱経の気血阻滞を考え、腰部と膝裏のツボに鍼を打つ。
その晩、膝より下がポカポカと暖かくなり、翌朝、起床後足をついた時の痛みが軽減していた。
同じ施術内容を3回繰り返したところ、アキレス腱の痛みが左右とも消失し、ジョギングが再開できるようになった。
主な施術部位
委中(膝裏) 腎兪(腰部のツボ)
まとめ
踵や、アキレス腱の症状は、東洋医学でいう腎と膀胱の問題として施術を行うと奏功することが多い。
来院者
50代女性
通院期間
2023年7月〜約2週間
頻度
週2回〜3回
通院回数
5回
症状
1年以上前から、平らなサンダルをはいて生活していたせいか、朝、ベッドから起き上がり足を着く時や、歩き出しの時に両足の裏(土踏まずから踵にかけて)が痛む。
病院では、足底筋膜炎と告げられ、痛み止めを処方された。その他、インソールの指導を受け、オーダーメイドで作成したが、改善がみられない。
悩んでいたところ、友人に鍼灸を勧められ、来院。
その他、正座すると膝から下がつる事が多い。
経過と施術
初回
正座すると膝より下がツルことから、アキレス腱周辺の硬さが原因であることを疑い、アキレス腱周辺を緩めるように鍼を行う。
経過:施術をしたその日は足が軽かった。しかし、翌日には戻る。
2~5回目
初回施術後に足が軽くなったことから、アキレス腱の硬さが、症状の原因と考え、同じ施術を繰り返したところ、朝の踵の痛みが軽減。
4回目。アキレス腱の硬さは取れていたが、ふくらはぎのこわばりが残っていたため、ふくらはぎを緩めるように施術を行う。
ふくらはぎのこわばりが取れるに從い、土踏まずの痛みが軽減。
日常生活が問題なく送れるようになった為、施術を終了とした。
使用したツボの一例
足臨泣LR 手臨泣RL L5(0.5)LR 合陽LR
まとめ
アキレス腱の痛みは、ふくらはぎや、腰、首の症状に起因することが、多い。
マッサージや湿布などで回復しない場合も改善するケースがあるので、同じような症状で悩んでいる人は、一度鍼灸を検討することを勧めたい。
来院者
40代男性
通院期間
2023年7月
頻度
週2回
通院回数
3回
症状
2ヶ月前から右踵のあたりに痛み出現。
長く歩いた翌日の朝、起床後の第一歩がとても痛い。その後、朝から昼にかけて、無理をして歩いていると徐々に痛みは和らいでいくが、椅子などに長時間すわって、足を休めた後は、立ち上がりの時に再び痛みを感じる。
その他:胸郭出口症候群スマホを操作していると、右肩から手にかけてしびれる。
経過と施術
初回。踵から腰にかけて、調べると右の仙腸関節の硬さが目立っていた。
腰したのツボ(上髎)に鍼を打ち、腰から、踵にかけての突っ張りが軽減していることを確認した。
2回目:3日後来院。初回施術後。特に変化なし。朝の第一歩も、変わらず痛む。
胸郭出口症候群が元々あることから、首から胸郭も問題を疑い、右の首にあるツボに鍼を行う。
翌朝、ベッドから起き上がり床につく第一歩に痛みが軽くなっていることに気がつく。
3回目:同じく、首のツボに鍼を行い、首肩のストレッチを指導し、施術を終了とした。
使用したツボの一例
上髎R C1(2)←首のにあるツボ
まとめ
踵などの足裏は、人の体重を受け止める要所であるが、人は膝から腰、背骨の柔軟性により、その負荷を緩衝している。
そのため、膝や腰、背骨のどこかに、問題を抱えると足裏への衝撃に対する負荷分散が行えず症状の原因となりやすい。
本症例では、胸郭出口症候群の既往歴から、首の問題を考え、施術を行うことで、速やかな改善がみられた。
来院者
50代女性
通院期間
2020年9月〜10月
頻度
週1回
通院回数
5回
症状
1週間に右足首を捻ってから、歩行時地面に着地すると痛みが走る。
特に凹凸のある場所を歩いた時に症状が顕著に出現する。
経過と施術
初回
足関節を緩める目的で示趾と中趾の間に鍼を行う。
翌日以降も痛みに大きな変化なし。
2~4回目
膝の周辺や腓骨周辺が足首と関係が深いため、同部位で問題のありそうなポイントに鍼を行う症状に変化なし。
5〜7回目
4回目までの施術で改善が見られなかった為、膝や腓骨周辺、足の指以外の場所に問題があると考え、ふくらはぎを丁寧に調べたところ、特徴的なコリを確認。
そこに、鍼を一本打ったところ、翌日以降痛みが軽減。その後7回目まで同部位に処置を行ったところ、痛みが消失した。
使用したツボの一例
中腰 玉陽 合陽
まとめ
足首の動きは、膝、腓骨、足趾、ふくらはぎとの関連が深い。
一つ一つ、順序立てて、施術を進めることで症状の原因へとアプローチができた症例。
来院者
40代女性
通院期間
2021年2月〜2021年3月
頻度
週2回
通院回数
5回
症状
左踵(かかと)の痛み
一ヶ月ほど前から、坐位や、寝ていた状態から立つ時に踵に痛みを感じる。特に、朝起床してからの一歩目が辛い。
ふくらはぎのストレッチをすると、痛みが軽減する。
経過と施術
初回
痛む場所を丁寧に確認したところ、土踏まずより、少し外側の部分が最も痛むことを確認。
次にふくらはぎのストレッチとアキレス腱伸ばしで症状が寛解するという来院者の言葉をヒントに、下腿の緊張を調べたところ、左のふくらはぎに右に比べてい異常に硬い一点を発見した。
この緊張が、下腿の動きを妨げ、足裏に余計な負荷をかけた結果、症状が発症したと考え、確認した場所に鍼施術を行った。
経過:初回翌日、起床時に足を床についた際の痛みが軽減していることに気がつく。起床後の第一歩の痛みは軽減したが、長時間歩行していると、踵より少しつま先よりの場所が、一円玉くらいの範囲で痛むようになる。
2~3回目
施術2回目)初回と同じ施術に加え、足首の柔軟性を高める目的で第三・四趾の間と、肩甲骨の内縁に鍼を行う。
2回目施術翌日。朝、足を着地した際の痛みは消失したが、長時間歩行後の痛みが踵付近からアキレス腱周囲に移動する。
施術3回目)
アキレス腱周辺の痛みは、仙腸関節付近の柔軟性が低下し、同関節の僅かなサスペンション的な働きが低下した時に、起きやすいという臨床経験から、仙腸関節付近のツボに鍼を行う。
4~5回目
4回目来院後。(4回目5回目。施術内容3回目と同じ)
アキレス腱周囲の痛みは9割消失。
5回目の施術を経て卒業となった。
使用したツボの一例
合陽 承筋 四枢 膀胱兪 白腰
まとめ
ふくらはぎや仙腸関節の柔軟性低下が足裏や足首に、負荷をかけ続けた結果症状が発症したと考え、施術を行うことで段階的に改善が見られた症例。
来院者
50代女性
通院期間
2018年12月〜2019年1月
頻度
週2〜3回
通院回数
5回
症状
仕事柄、ハイヒールで歩きまわる事が多く、以前から、疲れると、右母趾の裏から足底の内側(土踏まずのあたり)、踵付近にかけて違和感を感じることがあった。
12月に入り、年末の激務により、毎日、夕方ころから、同部位に痛みを顕著に感じるようになった。
施術と経過
右足を丁寧調べたところ、右母趾から、足底の内側(ふくらはぎ)踵の内側にかけて圧痛を確認。
初回)母趾の痛みを緩和する目的で、ふくらはぎの内側と脛の内側に鍼を行う。母趾の圧痛が軽減したことを確認しこの日は施術を終える。
2回目)初回翌日。仕事で、1日中歩いた後に起きる母趾と土踏まずの痛みは5割程度に軽減していた。
初回と同じ施術を2回、3回目と行ったところ、母趾、土踏まずの痛みは消失。
4回目)3回目の施術以降、母趾と土踏まずの痛みは再燃せず、踵付近の痛みだけが残る。
体幹の左右のバランスを整え、右の踵への加重を減らす目的で、肩甲骨内縁にあるツボに鍼を行う。
5回目)4回目施術以降、踵周辺の痛みも気にならない。母趾、土踏まず、踵の圧痛も消失していたため、4回目と同じ施術を行い。再発予防のエクササイズを指導し、施術を終える。
使用したツボの一例
三陰交R 築賓R 四枢R
まとめ
足裏の症状は下肢疲労や体幹のバランス状態が反映されていることが多い。
本症例では、痛みの場所から、下肢の施術するべきポイントを特定し、肩甲骨の動きから体幹のバランスを整える事により、速やかな改善が見られた。