我孫子市・柏市のはりきゅう専門院

東洋医学をもっとカジュアルに(第1回)お相撲も、京都も、あのマークも——実は東洋医学

" 東洋医学をかもっとカジュアルに "

2026年7月9日

「鍼灸(しんきゅう)って、なんだか難しそう…ちょっと怪しい?」

——そんなふうに、少し身構えてしまう方も、きっと多いですよね。

こんにちは。はり・きゅう専門院 ゐろは鍼漢院、院長の池内です。

千葉・我孫子(あびこ)の手賀沼(てがぬま)のほとりで、毎日はりとお灸をしています。

ふだんは、獣医師さん向けに東洋医学の講義もさせてもらっています。

そんな私が、いつも思うことがあります。

それは——東洋医学って、実はもう、あなたのすぐそばにあるんです、ということ。

お相撲。京都の街。だれもが一度は見たことのある、あの白黒のマーク。

ぜんぶ、東洋医学と同じ考え方でできています。

今回は「難しそう」の氷を、少しだけ溶かしてみたいと思います。どうぞ、肩の力を抜いて読んでくださいね。

この記事の要約
  • 東洋医学は、私たちの暮らしのあちこちに、すでに溶け込んでいます。
  • お相撲の土俵の四隅の色、京都の街づくり、あの「陰陽マーク」——どれも東洋医学と同じ考え方でできています。
  • ノーベル賞をとった西洋の天才物理学者も、東洋の考え方に行き着きました。
  • 「難しそう・怪しそう」と身構えなくて大丈夫。まずは“身近さ”から、一緒にほどいていきましょう。
この記事を書いた人

ゐろは鍼漢院 院長 池内公

はり・きゅう専門院 ゐろは鍼漢院 院長 池内 公(いけうち いさお)。

臨床歴20年以上。病院勤務で内科・整形外科・耳鼻科などの現場を経験。

2012年からは獣医師向けに東洋医学の講義も担当しています。千葉県我孫子市、手賀沼のほとりで開院。

実は、身近にあふれている東洋医学

東洋医学というと、なにやら古めかしい漢字が並んで、呪文のように聞こえるかもしれません。

でも、そのおおもとにある考え方は、とてもシンプルです。

昔の中国の人たちは、暮らしていくために、来る日も来る日も自然を観察しました。

潮の満ち引き、月の満ち欠け、季節のめぐり……。

そうして「世の中には、こういう法則があるらしい」と気づいていったんですね。

その“世界の見方”が、東洋医学の土台になっています。

そして、この見方は、めぐりめぐって私たちの身のまわりにも残っています。ひとつずつ、のぞいてみましょう。

お相撲の土俵に、東洋医学の“色”がある

テレビでお相撲を見ると、土俵の上に屋根が吊るされていますよね。

その四隅から、色のちがう房(ふさ)が下がっているのをご存じでしょうか。青・赤・白・黒の4色です。

実はこれ、東洋医学の考え方とまったく同じ「五行(ごぎょう)」というものからきています。

昔の中国では、世の中のあらゆるものを 木・火・土・金・水(もく・か・ど・こん・すい) の5つのグループに分けて考えました。

そして、それぞれに色や方角が割りふられているんです。

  • 東 → 青
  • 南 → 赤
  • 西 → 白
  • 北 → 黒
  • そして真ん中(中央)→ 黄色(土)

土俵の四隅の房は、まさにこの東西南北の色。

そして土俵そのものは、五行でいう「土」——つまり大地です。

私たちの国技のなかに、東洋の自然観がちゃんと息づいているんですね。

相撲の土俵の四隅の房。東=青、南=赤、西=白、北=黒、中央=土をあらわす五行の色

京都の街も、東洋医学の考えでできている

もうひとつ、有名な例が京都です。

千年以上むかし、都を京都にうつすときのこと。

その土地は「北・東・西が山に囲まれ、水辺がある」という、縁起のよい地形が選ばれたと言われています。

そして、北の山を玄武(げんぶ)、東の川を青龍(せいりゅう)というように、まわりの自然を4つの神様に見立てて、街づくりがされました。

この4つの神様「四神(しじん)」も、さきほどの東西南北の色と結びついています。

じつは私、若いころ京都に住んでいたことがあります。

ちょうど陰陽師(おんみょうじ)がブームになっていたころで、安倍晴明(あべのせいめい)をまつった神社をたずねたりしていました。

当時はぼんやり眺めていたのですが、今になって「ああ、あれも東洋医学と地つづきの世界だったのか」と、しみじみ思います。

谷あいの古い都と四神。北に玄武、東に青龍、西に白虎、南に朱雀

ちなみに、この四神の名前——青龍・白虎(びゃっこ)・玄武——は、漢方薬の名前にもなっています。

花粉症のときに使われる「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」など、聞いたことのある方もいるかもしれませんね。

あの白黒のマーク——「陰陽(いんよう)」という考え方

さて、これはどうでしょう。

白と黒の勾玉(まがたま)がふたつ、くるりと組み合わさった、あのマーク。

アパレルブランドのロゴになっていたり、韓国の国旗の真ん中にも入っています。一度は目にしたことがあるはずです。

これは 太極図(たいきょくず)、いわゆる「陰陽(いんよう)マーク」です。

陰陽というのは、むずかしく考えなくて大丈夫。

ひとつのものを、ふたつの面に分けて見る、という考え方です。

昼と夜。夏と冬。上と下。

世の中は、この「対になるふたつ」がバランスをとりながら回っている——昔の人はそう見ていました。

おもしろいのは、白のなかに黒い点が、黒のなかに白い点が、ちょこんと入っていること。

「完全な白も、完全な黒もない」。

どんな人のなかにもいろんな面がある、というわけですね。なんだか、人づきあいのヒントのようでもあります。

西洋の天才物理学者も、たどり着いた

「そうは言っても、東洋の考えって、やっぱり非科学的なんじゃ……」。

そう思われた方に、ひとつだけ、とっておきの話を。

ニールス・ボーアという物理学者をご存じでしょうか。

デンマークの理論物理学者で、1922年にノーベル物理学賞を受賞した、現代物理学(量子論)を築いた一人です。

あのアインシュタインの好敵手(ライバル)として、火花を散らす議論をたたかわせたことでも知られています。

そのボーアが、ミクロの世界のふしぎに出会います。

「光は、粒でもあり波でもある」といった、正反対の性質が同時になりたつ現象です。

彼はそれを 「相補性(そうほせい)」 と名づけ、こう語りました。東洋の哲学と、量子論はよく似ている、と。

そして、デンマークで最高の勲章を授かったとき、彼が自分の紋章(もんしょう)のデザインに選んだのが——なんと、あの太極図だったのです。

そえられたモットーは、ラテン語で CONTRARIA SUNT COMPLEMENTA

意味は、「対立するものは、互いに補い合う」

黒板に描かれた太極図と物理の図。東洋思想と量子論の出会いのイメージ

まさに、陰陽の考え方そのものですよね。

西洋の科学を最前線で切り拓いた人が、めぐりめぐって東洋の“あのマーク”にたどり着いた。

そう思うと、なんだか少し、見る目が変わってきませんか。

難しく考えなくて、大丈夫

東洋医学は、お経のような呪文でも、あやしい占いでもありません。

昔の人が、自然をじっくり観察するなかで見つけた「世界の見方」です。

そしてそれは、お相撲にも、京都の街にも、あのマークにも、今も静かに息づいています。

「難しそう」「怪しそう」——その氷が、ほんの少しでも溶けたなら、うれしいです。

次回(第2回)は、東洋医学のいちばん大事な考え方のひとつをお話しします。

「体を、バラバラに分けて考えない」という見方です。

「怖い思いをすると腰が抜ける」「悩みごとが続くと胃にくる」——そんな、だれもが心当たりのある感覚を、東洋医学の目でのぞいてみましょう。

どうぞ、お楽しみに。

ご予約はこちら

当院は完全予約制です。
ご予約・お問い合わせは、下の3つのいずれかから、お気軽にどうぞ。

受付時間:平日 9:00〜19:00/土曜 9:00〜17:00(日・祝休み)
※キャンセルは、予約日の2日前までにご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

カテゴリー: 東洋医学をかもっとカジュアルに.
  • ブログカレンダー
    2026年7月
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
  • ブログカテゴリー
  • スタッフのブログ
    スタッフブログ
  • タグ
  • 最新記事
  • アーカイブ
  • お気に入り