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腰痛の症例

※解説は分かりやすくするために、裸のイラストを使用していますが、実際の治療では患者着か衣服を着用しています。

症例3 仰向けでねると痛む腰痛

患者  60代 女性 琴演奏者   初診:H30 4月

【症状】庭の草むしりをした翌日から、立っている姿勢で左腰に痛みをジワジワと臀部や下肢まで感じるようになった。

※草むしりをする以前から、毎日お琴の稽古をしており、左の腰に体重を預けるような姿勢を長時間とっていたことも要因ではないかと本人はいう。

検査

左臀部周囲、脊柱起立筋あたりに硬結ありその他、大腰筋にも異常な緊張を確認。

悪化要因:仰向けで膝を伸ばした状態で寝転んだり、立位時に、左足を後ろに引く     と症状が強くでる。

治療内容と経過

慣れない前屈みの作業を行うことで、体幹を前に倒す筋肉と倒した姿勢を維持するための背中側の筋肉が引っ張り合う事により疲労がたまり、腰痛が起きたと判断。

腰部や臀部、大腿の筋肉を緩める目的で、鍼を関連したツボに施す。

初回~3診目までの治療で腰の痛みはなくなり、その後、下肢の症状について処置を行ったところ第6診で下肢の症状も消失。

その後は再発予防目的で隔週で治療をおこなっている。

使用した主なツボ

大腰L 中腰L L5(1.5) 腰海L 腸鳴L 豐隆L

コメント

腰と臀部の緊張は構造上、密接な関係があり、腰の症状は臀部。臀部の症状は腰部が治療点となることが多い。

今回は、これらの治療に加え、体幹前面の筋肉とのバランスを整えることで良い結果につながった。

症例2 足のしびれを伴う腰痛

患者 

20代 男性

初診

H30 .1月

症状

3年前より、徐々に腰の痛みを自覚。

 

長時間の運転や、座っている姿勢で最も痛みを自覚するが。

寝転がっている時にも痛みを感じる。

 

ここ2ヶ月は、右太ももの裏に痺れと足首から下に冷えを自覚するようになった。

過去に何度か整形外科でレントゲンをとるも、骨には異常がないとのこと。

痛み止めを処方されるが、服用してもあまり変化がないため、

何か他に良い方法がないかと模索していたところ、当院を友人に紹介され来院。

鍼灸は初めて。

その他の症状

  1. 右肩甲骨の周辺が時々、引きつるように痛くなる。腰痛と同じく、3年前から徐々に痛みを自覚。
  2. 歩行時に股関節の付け根が痛むことあり
  3. 歯ぎしり
  4. 不眠

経過

第1診 1月23日

下肢の痺れるエリアから、、原因となる病巣は仙骨稜の硬結(腰部と臀部の境界)にあると考え、関連するツボに鍼を一本行った。

座り仕事の時間が長いため、正しい座り方を指導し、この日は終了する。

第2診~3診 1月26日・31日

第一診後、右足の痺れが、半減。腰の痛みはそれほど変わらない。
「痺れ」が気にならなくなった分、腰の「痛み」が前以上に気になるという。

引き続き、右足のしびれの治療を目的に第1診のツボに治療を行う。

第4診 2月6日

3診後、下肢のしびれはほぼ消失。右足先の冷えも感じなくなった。

 

歩行時の股関節の付け根の痛みも消失していることに気付く。

腰部~臀部に及ぶ痛みの領域は、狭まりピンポイントで痛みを感じるようになる。

腰を緩める目的で臀部にあるツボに鍼をおこなった。

 

第5~7診 2月9日・14日・16日

4診後、腰の痛みは忘れるくらい楽になる。治療後3日後、少しずつまた痛みが出現。

4診で行った治療を継続する。

第8診 2月20日

最後に治療をおこなってから、腰の痛みは消失。

 

3月1日現在肩の治療を目的として通院中。

使用した主なツボ

空膠(右) 承山 外秩辺(R)

コメント

神経痛は、通常その重症度にあわせて、

痛み→痺れ→麻痺

の順で進行し、治癒へ向かう場合はこの逆を辿るケースが一般的です。

 

本症例の患者は、3年間続く腰痛に加え、2ヶ月まえから、右足に痺れを自覚していました。

 

問診と検査から原因を特定し、治療目的をはっきりさせることで、 「痺れの緩解→消失→痛みの軽減・痛むエリアの減少→痛みの消失」と、段階的に回復がみられた症例です。

症例1 左足から、足首までの痛み。

患者 60代 男性 初診 20○×年 2月

【症状】左臀部から左足首までの痛み。

【病歴】来院1週間まえ。雪かきをおこなった後、少しずつ、左臀部から足首にかけて痛みを感じるようになった。

治療内容と経過

まっすぐ、立つことができない。腰をかがめ、左側に体幹が傾いている。

触診したところ、左の膝より下が右足に比べて異様に冷たい。

脈:緊 舌:淡 腹診:下腹部の冷え

元々、冷え症という体質が下地があるところ、雪かきという重労働、長時間の冷えと言う条件が重なり、神経痛をおこしたと判断。

 

第1診 

最も辛い「臀部から、足にかけての痛み」を取ることを最優先に、治療を開始する。臀部とふくらはぎにあるツボに鍼とお灸で温めるように処置を行う。

治療後、「やっぱり、1回じゃ治らないんだー」と悲しそうな表情を浮かべながら帰る。

第2診~3診 

2診目、初診翌日再診。痛みが10分の6に軽減する。3診目には何とかまっすぐ立って歩けるようになる。

第4診 

左膝下の冷えは大分、少なくなり、右足との温度差はさほど気にならなくなる。

第5~8診

6診目には痛みが初診当初の10分の3。

その後、

7診時、10分の1.5。

8診時、10分の0.5 と段階的に軽減。

ただし、臀部の重だるさは残る。

第9診 

9診目以降は、仕事の都合もあるとのことで、自宅でできるお灸と再発予防の体操を指導し、治療の間隔を少し空けることにした。

ときどき、患部の重だるさは出るものの、その後の良好な状態を保っている。

 

使用した主なツボ

環跳L 飛揚L 関元 

コメント

鍼灸は「寒(冷え)」と「熱(ねつ」という考え方があり、この寒熱の偏りが病を引き起こす原因の一つとして考えられています。

この症例は、問診情報とその他の診断方法から、寒熱の偏りを正しく判断し、「体を温める」という目的に徹したことが、段階的な改善要因となりました。

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